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心配
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「おっ、目、覚めた?」
ガラリと扉が開いて、白い白衣を着た保健室の先生らしき女の人が入ってきた。
「気分はどう?
私はここでやることがあるから、まだ体調優れないようなら、しばらく寝てていいからね。」
先生は俺に優しく言ってくれた。
「あ、大丈夫です。もう行きます。」
俺は体を起こしながら言った。
「おいシュン、無理すんなよ?」
と、マコトが俺の体を支えながら言う。
「…大丈夫。ありがとうな。
監督心配してると思うから、挨拶行く。」
「…そっか。わかった。」
マコトの手を貸りて、
俺はベッドから降りた。
「お大事にね〜」
「「失礼しました」」
2人で言って、保健室を出た。
「じゃ俺、玄関んとこで待ってる。」
マコトが言った。
「え?帰ってていいよ。マコトにも迷惑かけてるし。」
俺がそう言うと、
ベシッとおでこを叩かれた。
「いっ…!」
「ばか。俺だって心配してんの!
とりあえず行ってこい。待ってるから!」
ああ、そうですか……。
も〜〜なんなのこいつのキュン攻撃は。
一緒にいたいけど、
一緒にいるとますます好きになる…。
だめだって思っても、
頭がゆうこと聞かない。
一緒にいちゃだめってわかってても、
体がゆうこと聞かない。。
俺は胸のキュンボルテージを抑えつつ、
職員室に向かった。
ふぅ、と深呼吸をした。
(さて…監督、いるかな…)
監督が、この格好のことを良く思ってないことだけはわかってる。
だけど俺はそれを治すことも、
説明することもできない。
だから、、
いまなら、間に合う。
マネージャーを辞めよう。
俺は、そう考えていた。
マコトのそばにいるのもやめた方がいいに決まってる。
望んだ結末には、ならないから。
だけど、そう考えてる一方で
だけどマコトなら俺を本当に受け入れてくれるんじゃないか?
隠し通せばいいだけの話なんじゃないか?
なんて。
ああ…。こんなんじゃまた…。
グルグルする。
ドンッッ!!
「わっ!!」
突然、なにかとぶつかって倒れそうになった。
が、誰かに支えられて倒れることはなかった。
「シュン!大丈夫か?」
ぶつかったand支えてくれた人は、
監督だった。
「監督!…大丈夫です。すみません!色々。心配かけてしまって。」
「いやいや!大丈夫なら、いい。
それよりも、様子がおかしかったから気になってたんだ。
無理に話そうと思わなくていいけど、話せる範囲で教えてもらうことはできんか?」
「……俺、マネージャー辞めます。」
「…おいおい、まだ始めてもないのに、
そんなことゆうな…。
それに、その格好になるのには、
なにか事情があるんだろ?」
「…はい。」
「だったら俺らと一緒に、
それを解決することはできないか?
時間はかかってもいい。
それに1人で考えるより、みんなといるほうが簡単にみつかるかもしれないぞ。」
「…………」
「それにさっきはあんなこと言ったけど、
俺は格好なんて気にしてないからさ。
野球の世界じゃあ、規律を守れってお堅い人ばかりだから、まず良くは見られないけど。
実際、お前は正直に物を話せるし、
根は真面目そうだしな。
少しずつ認めてもらえるようにすればいいんだ。
俺は、それを手伝いたいんだ。」
監督の言葉のひとつひとつが
俺のわだかまりを消していった。
監督は、俺を見ていた。
俺の中を、見ていたんだ。
俺は、俺のままでいられるのか
マコトにつられて野球部に来たけど、
俺にとってそれは、
人生を変えるなにか大きい決断だったのかもしれない。
ぽろぽろと涙が出た。
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