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転校生
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◇
「じゃあ日陽君、ここが今日から君のクラスだから」
「は〜い」
――2年B組
ここが今日から俺の新しいクラスかぁ
親の都合でこんな夏休み直前に転校が決まったおかげでテンションが上がらない
特段仲良くしてる奴も居なかったし別れて寂しいだとかじゃなくて単に面倒臭い
それにまだ遊んで見たかった人達もいたし
あーあー勿体無い事したな〜
俺がほかの事を考えてる傍で、今日から担任になる新しい先生が何やらさっきから色々説明してくるけど鬱陶しい
まずその胸元のボタン閉じてから話しましょうねー
やたらと胸を寄せて話しかけてくる女の先生をハイハイとあしらいながら受け流した
「それより先生、俺もう中に入りたいな」
「ッそ、そうねっ!じゃあ日陽君どうぞ?」
「ふはっ俺が先に入ったらダメじゃん?」
「あっ私が先に入らなきゃよね……!」
「そうそう、レディーファーストって言葉あるんだしね……せーんせ?」
ニコッと微笑みかけると面白いくらいにそいつの顔が赤くなる
馬鹿だな〜女として扱われる期限も切れたから尚のこと喜んでる
真っ赤な顔してうっとりとした先生に向かって「先生入ろ?」と促したらカチンコチンになりながら教室へと入っていった
その姿をクスクスと笑いながら後ろから見ていると名前を呼ばれる
はぁ、と目に溜まった涙を拭いて教室の中へと入るとザワザワと煩かった教室が一瞬シーンと静かになった
そしてそれから直ぐに今度はドッと教室がどよめく
静かにしてと先生が注意したあと、俺へと視線が目配せさせられて俺は前を見ると口を開いた
「日陽真澄(ハルヤ マスミ)です〜よろしく〜」
それだけを挨拶するとクラスの女子がギャーギャーと騒ぎ出す
………本当に煩いな
真っ赤な顔して今更鏡見て化粧をし出すやつもいてあまりの変わり身の早さにふつふつと笑いがこみ上げる
一通りぐるっと教室を見たけどまあまあ楽しめそう
男も女も可もなく不可もなくってところだ
適当に聞かれた質問に答えて
適当に頷いてスルーしていると
先生に窓際の席が俺の席だと言われた
ジロジロ見てくる視線を受けて言われたとおりに間際の一番後ろの席へと着く
ふっと横を見ると俺を通り越えて窓の外を見ている隣に座る男に適当に声をかけた
「よろしく」
「………よろしく」
微笑む俺に、微笑み返すそいつ
お、なんか面白そうかも…
「日陽真澄って言うんだ、まだ教科書来てなくて見せて貰っていい?」
「俺は姫野千景だよ……うん、構わないよ」
クリクリした目に細くて真っ白なちっこい体
180以上ある俺から見て小さい云々とかじゃなくて、平均よりもかなり小さい
まあ別に何でもいいんだけどさ〜
ガタッと音を立てた椅子に座る
ここが新しいクラスか…
とりあえず楽しめるなら何でもいい
早速今日は誰にしようかな〜なんて思いながら、俺も隣を真似して窓の外を見てみたけどただ青すぎる空が広がってるだけだった
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