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#16
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話の意味を理解できなかったわけではない。
けれど、
それを受け止めたところで、
神城にはどうしたらいいのか分からなかった。
「その…可愛い部下っていうのは…俺の事なんですよね?」
一応、確認のためだ。
勘違いで済めば、それでいい。
「そういう意味で話してたつもりだけどね。」
その期待は外れる。
「そうですよね…」
ここまで話すと、
笹本も大分理性を取り戻していた。
神城の酔いも、
そこそこ冷めてきていた。
「焦ってはいたけど、こんな事するつもりじゃなかった。悪かった。」
「い、いえ…」
正直なところ、
神城は具体的に何をされたのか分かっていない。
目隠しはされていたし、
意識もそこまで覚醒していなかった。
妙な息苦しさと、
上に乗られた圧迫感が不快だった。
その位の記憶しかない。
「俺も酔いは覚めた。帰るよ。」
「え…でもっ」
この時間に帰るのは面倒だろうと思った。
「おまえ、そこで引き止めるの?言っとくけど、次何かあったとしても、俺のせいだけじゃないよ、それ。」
ごもっともだ。
強姦魔と知っていながら家に泊めて、
強姦されたと嘆いても、
それは自業自得の他の何者でもない。
笹本と強姦魔を一緒にするのもどうかと思ったが、
でも、そういう事だ。
「じゃあまた明日。おやすみ。」
そう言って笹本は部屋を出て行った。
間もなくして、
玄関の扉が開き、
そして閉まる音がした。
神城は深いため息を吐く。
まだわずかに酒の匂いがする。
「もう…なんなんだよ」
訳のわからない状況に落胆して、
視線を落とす。
ふと、足元を見ると、
何故か靴を履いたままだった。
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