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Said,真人 過去
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思わず、階段で立ち止まる。
自信がなくなってきた。
沙羅さんと、その子に会っていいのかな。
谷川は、車で控えていた。
今なら、まだ、戻れる。
「おにーしゃん、だあれ⁇」
ふと、声をかけられた。
顔をあげると、クリーム色のレインコートを着た、小さな子どもがいた。
「え、あぁ、、ごめんね。ここ、通るよね?」
このアパートに似合わない、とても綺麗な子ども。
整った顔を少し曲げて、その子は言う。
「おにーしゃん、だいじょーぶ?ここ、えーんえーんっていってる。」
そう言って、眉毛をハの字に曲げて、僕の胸をトントンと叩いた。
「あのね、えーんえーんってしたいときは、えーんえーんってして、いいんだよ?」
その子はニッコリと笑いながら言った。
カビ臭いアパートで、天使が舞い降りてきた……
そんな恥ずかしい表現しか、僕には出来なかった。
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