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Said,亮介
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面会の日。
俺は今鳳凰グループの本社、社長オフィスにいる。
「こんにちは、亮介くん。いつも美琴がお世話になっているね。そんなに畏まらなくていいよ。顔をあげて。」
オフィスに足を踏み入れた瞬間、とんでもない圧力が背中にかかってきた。
これが当主の風格、、、
俺は恐る恐る顔をあげた。
「鳳来家次男の中谷亮介と申します。」
俺は色々事情があって鳳来という名字を名乗っていない。
「ごめんね、急に呼び出して。あとそこにいる奴は気にしなくていいからね。」
そういって、そこにいたのは茶髪の綺麗な、、男?だった。
「えーーーまーくんひどいー!!折角鳳来の貴公子をお目にかかれるだから紹介ぐらいしてよー!」
そういってニコニコ笑いながら、こちらに向かって、
「京本 実です。よろしくね。」
綺麗に跳ね上がった目尻をクイっと曲げて人懐っこい表情を浮かべる。
京本家といえば警視庁本部に沢山要人を抱え、悪性を許さず、政界にも多大なる影響を与えている。
「中谷亮介です。こちらこそ、よろしくお願いします。」
深々とお辞儀をする。
真人様からソファーにかけて、と言われソファーに座った。
程よい硬さのソファーに身体の緊張感が柔らぐ。
「君のお父様から、亮介くんがお見合いをするって聞いたんだ。それで、最近美琴が君の様子がおかしいって聞いたから……もちろん、美琴には家のことも見合いのことも何も伝えていない。でもこのままだったら美琴と要くんだけで行動を起こしそうでね……」
困ったように笑う真人様。
「亮介くんが美琴や要くんに家のことを伝えていないのは、巻き込みたくないからだよね。こちらの世界に。もちろん、僕だって美琴にはこんな世界を見せたくないんだ。本当なら、君に美琴と関わるのを止めて欲しい。と言いたいけれど、そんなこと言ったら美琴が泣いちゃうから、君に協力しようと思って、、」
真人様のことだ。
やろうと思えばいつだって鳳来家のことを潰せる。
なのに、美琴を想って…
「失礼を承知で伺います。美琴と真人様の関係、とは、、、?」
美琴は真人様の同居者、というだけではないのだろうか?
「……美琴は僕の姉の子ども、本来の鳳凰家当主だよ。」
とても重い声で発せられた事実に俺は驚いた。
鳳凰家長女ー沙羅様は駆け落ちの末に病死。子どもがいたなんて聞いたことがなかった。
美琴のお母さんに会ったことはなかったが、沙羅様だったのか、、、
「……周りには言わないでね。」
有無を言わせぬ物言いに、俺は声すら出なかった。
「ふふふー、まーくん、ちょー美琴ちゃんのこと溺愛してるから困るよね〜!」
場の空気を壊すかのように、ケタケタと笑いながら実様がおっしゃる。
「ったく、実はちょっと静かにしてて。……それで、亮介くん。君はどうしたいのかな?」
……。
俺は…………
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