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店長の運転は優しい。ブレーキなんて教習所で習った衝撃のない踏み方だし、カーブも曲がる前にしっかりと速度を落とす、しかし遅いわけではなくて曲がる時の遠心力みたいなもんを軽減してくれるような感じ。気配りのできる男なのかどーなのか。
いざ家に着いてみると店長の気配りどーのとか、どこかにふっとんで俺の家は無事なのかと不安と恐怖で押しつぶされそうだ。
本当にこの男は役に立つのか、それも不安要素の一つ。
ちらっと玄関近くの窓をうかがうも光は付いていない様子。ドアの前に立つ店長に鍵を押し付けて自分はすぐに逃げられるように準備をしとく。
緊張してるのは俺だけで店長はなんの迷いもなく鍵を開けて薄暗い部屋に入っていった。
「電気どこだ?」
恐る恐るりいつもの場所に置いてある電気のリモコンをピッと一押し。パッと明るくなった部屋はいつも通り、散らかされた形跡もなく出てきた時と何も変わっていないように見える。
ふと、ベランダに視線を移せば明らかにおかしい点が一つ。
「パンツが」
あるのだ。一枚だけ。
「は?あーパンツ。大丈夫だ、俺はパンツだけじゃ食指は動かねーから。それよりお前_」
と、言うことはだ。奴は部屋には入ってないが一階でしかも鉄格子の低いベランダには入ったわけだ。
そしてパンツだ。
1枚しか残っていない最後のパンツは今俺が履いている。のにも関わらずベランダに1枚干してあるのだ。
やっぱりあいつだったのか。
なんてことだ!怖くて触れない!取れない!
見た感じ濡れてはないが、何時間干してあるのかわからない。もしかしたら濡れていたけど乾いたのかもしれないし。
自分で確認するか確認しずに捨てるか。
多分捨てた方がいいのかもしれないが、なんと言うか気になってしまう。
店長に確認してもらうにも、俺から言うのはキモすぎてできない。
どうしようか迷っているとポンと軽く肩に手を置かれる
「おい聞いてんの?」
「なんですか」
「今日泊めてって話。家帰んのめんどくせーわ」
もしかしたら、いや確実にこの時の俺はおかしかった。でなかったら
「いいですよ」
なんて答えなかったに違いない。
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