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後悔した夏の日11
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「っ!!?痛っ………なにっ…!?」
「ごめんね聖、我慢できないんだ」
始めて飲んだ酒のせいか、まったく力が入らなかった。
思い切り目の前の男を押し返しているつもりなのに、虚しい程抵抗が意味をなしていない。
「ぁっ………!ぁぁ……!!」
打って変わって、腰を押し付けられ、あり得ない場所で異物の存在を感じる。
―――入ってくる。
同性の、男の生殖器が、自分の排泄器官に……
知識ではあったけれど、いざ自分の身に起こるなどと思いもしなかった。
目の前のこの男がストーカーだった事、その事実もなかなか受け入れられない。
受け入れてしまったら、何もかも後悔してしまうことになる。
「うっ…ぁぁあ……」
「かわいい、聖…震えてる…」
一体俺は何をしているのだ?
犯されている?
先輩に?
男に?
「ほら、全部入るよ…」
「ひぃっ……!ぎぁ…ぁぁああ…!!」
考えがまとまらないのに、男のモノが穴の奥深くまでゆっくりと到達する。
強烈な痛みと嫌悪感。
根元まで入れられた異物もそうだが、尻に当たる男の肌が不快な熱を伝えてくる。
「ぁっ……ぁあああ……」
全てを全力で否定したい。
こんなのは嘘だ
痛みも、動かない体も、全部夢だ
気持ち悪い、怖い、痛い
「やぁっ……っ!!」
大声を出したいのに、声が出ない。
ドッキリだとしたらやりすぎだ。
でも、悪夢にしては残酷なくらい感覚がリアルなのだ。
「はなせっ…っのストーカー野郎っ」
ハァハァと俺の上で荒い息遣いが聞こえる。
「やっと…やっと一つになれたね…」
この男と話した期間はたった2日間だけの筈なのに、待ち望んでいたかのように語られる言葉。
イケメンで金持ちだったのに、中身はとんだ変態じゃないか。
こんな状態に陥る程信用してしまった自分に腹が立つ。
「聖の中…あったかくて、凄く気持ちいい…」
「いっ…痛ぁっ……動くなっ……」
中をゆっくり揺すぶられる感覚に鳥肌が走る。
俺の意思を無視した言葉が耳元で呟かれる。
「ようやく……ああ……ついに手に入れた……」
急に始まる、容赦ない抽送。
訪れた肛門を切り裂くような痛みに全身が強張った。
「ひぃ……ぃ…………!!!」
「愛してるよ聖!俺のものだっ…クッ…俺の……っ」
なんだこれ!キモいキモいキモいキモい
助けてっ!なんで?!
「ぁ……俺はっ…お前の、モノじゃ…な……」
クーラーがついているとはいえ、凄く暑い。
ましてや酔いがまわってるせいか、俺の体温も異様に高い 。
俺の上で激しく腰を動かすコイツの汗が、ヒンヤリと感じられる。
空調の音と、息遣い。
下部から聞こえる肌を打ち付ける音と、湿ったような卑猥な音だけが部屋に聞こえていた。
気持ち悪い。
「やだっ…嫌だっ……」
決して快楽など感ていない。
痛みと、強烈な嫌悪感。
首筋を舐めまわされ、吸い付かれて堪えていた涙が一筋溢れる。
「いだい……ってば……」
「もう離さない…離さないよ聖!」
「ぅ…ぅぁあ……」
うるせぇよ!今すぐ離せ!この変態野郎!!
否定の言葉は酔いのせいか発することができず、男の動きが一層激しさを増す。
「うぁっ……ぁあ……」
押し上げるような容赦のない突き上げは、まるで一方的な暴力のようだった。
「愛してるよ…聖っ俺の…俺のだっ……」
「ぃぅっ………」
ビクビクと、俺の中に注がれる熱い液。
「ぃやだ…ぁああ!!」
キモい最悪最悪最悪最悪最悪!!!
フーフーと、俺を抱きしめたまま、俺の上で息を整えているストーカー野郎。
この男は、よりにもよって俺の中で出しやがったのだ。
達しても尚、余韻に浸る男の腕は力強く、息苦しくて仕方がない。
「ふっざけんな……てめっ……」
必死に堪えていた涙は、受け入れがたい現実にオーバーヒートを起こした。
まるで滝のように流れ落ちる。
信じられねえ…
まじで最悪、本当キモい。まじありえねぇ…
血走った眼をした男。
初めて出会った時の男の表情とは全く別人になっている。
その端正な顔の額に、うっすらと汗が滲む。
本来なら「かっこいい」とか思う所だろうけれど、今の俺にはただの変態にしか見えなかった。
「ぅぁあっ…」
ズルリと、奴のものが引き抜かれると、ゾクゾクと全身に鳥肌が立つ。
コイツが離れる事によって、抱きしめられる苦しさと肌の不快感がなくなる。
ホッとするのも束の間、タラリと中で出されたものが垂れる感覚がした。
その事実が再び強く自分に押しかかる。
「し…信じらんねぇ……」
絶望的な気分だった。
じんわりと、涙が込み上げてくる。
「ああ………すまない……」
俺を組み敷いた男に謝罪され、頭にカッと血がのぼる。
「てめぇっ……」
すみませんで済まされるか!この変態野郎!
罵り、殴りつけ、蹴り飛ばしたい衝動に駆られた。
騙された?
裏切られた?
最初からそのつもりだった?
犯されたのだ。
同じ同性である男に。
一方的に、無理やり、強姦されたのだ。
しかし…
「う……」
体が、まだ動かない……
「すまなかった…聖」
悲しそうな顔でそう囁く男。
さっきまで、一緒に食事を楽しくしていた男は、今は完全なる変質者だ。
こんな奴だと思わなかった。
こんな奴だったら、最初から近づかなかったのに…
「もう……部屋に、戻らせて…」
このストーカー部屋。
作りは一緒の筈の部屋なのに、何もかもが違う。
部屋一面俺の盗撮写真と、俺から盗んだもので溢れかえる部屋。
キモすぎる。怖すぎる。
今までこんな怖い思いしたことなどない。
ガタガタと体が震える。
嫌悪感、恐怖、怒り、痛み、不安
色々な感情が入り乱れすぎてわからない。
俺は、ストーカーに強姦された。
ナンダコレ。何度反芻しても全然理解できない。
「すまなかった…」
3度目の謝罪…。
「ふ…っざけんなよ…」
すまないと思うのなら早く部屋に帰らせてくれ。
この地獄のような行為が終わったのだから、1分1秒でも早く、この場所から離れたかった。
しかし、そんな思いもすぐ打ち砕かれることになる。
「今度は、聖もイカせてあげるね…」
言われた言葉が、直ぐには理解できなかった。
耳を疑う言葉。
信じたくなかった。
奴は、勃ち上がってもいない俺のモノを悲しそうに見つめながら、そう呟いたのだ。
「な…に…?」
違う。コイツ、何かが違う。
反省して謝ったんじゃない…
コイツ、自分だけ射精したことを謝ったのだ…
「狂ってる…」
コイツ、絶対に狂ってる。
見上げるその男は、さっきまでと同じように優しい顔で笑っていた。
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