アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
出会い-6
-
もう会えないだろうと少しがっかりしていた雛だったが、大介との再会はすぐにやって来た。
「いらっしゃいま...せ...」
「こんにちは、雛くん」
「有明さん...!」
翌日の夕方、再び雛のバイト先に姿を現した大介。
その日は雨も止み、狭い店内にはちらほらとお客さんがいた。
カウンターの中でコーヒーを淹れていた店長は大介を見て目元を細める。
「おや?昨日のお客さんかな?」
「店長さん、こんにちは。昨日ぶりですね」
「ふふ、雛くんのことがそんなに気に入りましたか?意地悪はしないでやってくださいね」
「まさか。気になっている人にそんなことしませんよ」
まるで世間話をしているかのようにそんな話を始める2人に、雛の顔がじわじわと赤くなる。
「あの...っ!有明さん...こちらのお席へどうぞ...っ」
「ありがとう、雛くん」
雛が案内するとにこにこと嬉しそうにしている大介に、更に雛の顔が赤くなった。
もう...っ、僕のばかばか...っ!
仕事中なんだから集中しなくちゃ...!
「ご注文がお決まりの頃に伺いますね」
「うん、ありがとう。あっ、ちょっと待って」
ぺこりとお辞儀をして席から離れようとした雛の手を大介が掴んだ。
「昨日、大丈夫だった?」
吃驚して振り返ると心配そうに眉を寄せる大介が見えた。
「昨日...ですか?」
「ほら、彼怒ってたみたいだから...何もなかったならいいんだけど」
彼?らんちゃんのことかな?
「大丈夫ですよ、らんちゃ...あの人昔から過保護なんです」
「昔から...?彼は...、あー...やっぱりいいや。雛くん今日は仕事何時まで?」
「今日は6時半までですよ」
「あと40分くらいか...待っててもいいかな?」
「え...?」
「だめかな?」
「だめじゃ...ないですけど...」
「そう?じゃあ待ってるね」
「は、い...」
「お仕事頑張ってね」と笑って手を離した大介に雛の頬も緩む。
また有明さんとお話できる...
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 85