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出会い-10
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「だいすけ、さ...」
唇を離した大介は、雛と額を合わせて少し不安そうに微笑んだ。
「嫌だった?」
雛は小さく首を振って目の前にある大介の優しい瞳を見つめる。
「でも...僕男で...」
「男とか女とか関係なく、雛に惚れたんだけど」
「でも...」
「雛。でも、じゃなくて雛の気持ちが聞きたい。俺じゃダメ?」
「僕は...」
僕は...大介さんのこと...
雛の頭の中に巡るのは、大介に出会ってからの日々。
大介がバイト先や学校に来てくれるのが毎日楽しみで、メールや電話がくるのを無意識のうちに待っていて、気が付くと大介の事を考えていて。
改めて考えると、まるで恋する乙女のようだ。
僕、大介さんのことが好きだったの?
そう自覚してしまうと、今大介に告白されているという驚きと喜びから、雛の目に涙が浮かぶ。
「...っ、僕でも...いい、の...?僕女みたいな、見た目で...っ、何も取り柄なんてなくて...」
「そんな悲しい事言わないで。雛じゃなきゃ、ダメなんだ」
今にも泣きだしそうな雛の髪を大介の大きな手が優しく撫でる。
「僕...意外と、わがままだよ...」
「雛のわがままなら可愛いよ」
「傍にいてくれないと、寂しいし...」
「そんなに嬉しいわがままないよ」
「...っ」
「雛?返事は?」
「うぅ...っ、だいすけさん...すき...っ」
「うん、よく言えました」
大介に抱き締められ、雛も大介を抱き締め返す。
好きな人が自分のことを好きだと言ってくれる、こんなに幸せな事があるだろうか。
────この時の雛はこれから2人の前にはきっと今以上に幸せな毎日が広がっていると、信じて疑わなかった。
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