アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2-4
-
「だめだよ...らんちゃん、僕ね...」
《大介さんのことが好きなんだよ》そう言おうとした雛の言葉を
「聞きたくない」
と言って雛の首筋に顔を埋めて聞こうとしない嵐。
「雛が悪いんだ、そうやって隙だらけだから俺みたいのに漬け込まれる」
「らんちゃん...」
「待つのは、自由だろ?雛だっていつ目覚めるか分からない有明を待ってる。俺も雛が振り向いてくれるのを待つ」
「そんなの屁理屈だよ...」
「知らない。雛、好きだ」
「...」
駄々っ子のように好きと繰り返す嵐に、雛は何も答えることができなかった。
「遅くならないうちに風呂入って寝ろ。泣き虫」
暫くして雛から体を離した嵐は、泣いて腫れてしまった雛の瞼をするりと撫でて微笑む。
「あ...うん...」
「雛の着替え、確かうちに置いてあったよな?」
「...っ」
ソファから立ち上がるとビクリと体を震わせた雛を見て、嵐が苦笑する。
「そんなに警戒しなくても、雛が振り向いてくれるまで手は出さねーよ」
「...うん」
「...俺は有明が元気になること祈ってるから」
「...え...」
予想もしていなかった嵐の言葉。
らんちゃんは、ずっと大介さんのこと嫌いなんだと思ってた...
「そんなに吃驚しなくてもいいだろ?有明は、いい人だって知ってるから。...相手が有明じゃなかったら、今すぐにでもお前を奪っていけるのにな...」
「また、そういう...」
「本心だよ」
「...っ、お風呂借りるね...っ」
その場の空気に耐えられなくなった雛は逃げるように脱衣所へ駆け込んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
23 / 85