アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
らしさ、らしく。
-
ーー数日前、ここ最近毎日一緒に居た青峰とこれまたしょうもない事で大喧嘩した。
いつもなら先に折れるのは俺の方だったけど今回はこっちから折れるつもりなんて一切ない。
当然青峰も折れることはない。
そんなの分かりきっていた。
筈なのに、なんだか無性に胸がもやもやと違和感を抱いている。
「‥火神くん。」
「‥‥ぉわっ!黒子!いつからそこに居て‥」
「君がぶつぶつ言い始めた頃からずっと目の前に居ましたよ。」
「‥‥‥‥。」
「そんなに考えこむなら早く仲直りしちゃえば良いじゃないですか。」
一瞬どきりと胸が鳴った。
頭を過ったのは笑顔を浮かべている青峰。
「‥そんな簡単に。」
「簡単ですよ、君も青峰君も鈍感で素直ですから。」
「どういう意味だよ」
黒子に背中を押された。
仲直りなんていっても俺たちがそんなすんなり「悪かった」「こっちも悪かった」で事が解決出来る訳がない。
それにいつも俺から謝るばかりで向こうは当然だという顔をしている。
「とりあえずマジバ行きませんか?」
「‥‥ああ。」
気持ちが沈んだままの俺に気を遣ってくれる黒子。
いつもの席で向かい合わせでバニラシェークを飲む黒子とハンバーガーを頬張る俺。
いつものことながら会話はほとんどないに等しい。
そんな沈黙を遮る様に‥
「あ!黒子っちと火神っちじゃん!」
「‥黄瀬。」
「黄瀬君。珍しいですねこんなところで‥‥‥それと緑間君。」
黄瀬の後ろから現れたのは緑間だった。
珍しい場所で珍しい組み合わせの二人にでくわせた。
黒子と黄瀬達は和気あいあいに会話をし始めた。
緑間の横目の視線を感じながらも俺はハンバーガーを頬張ることはやめなかった。
黙々と食べていればとんでもない言葉が黄瀬の口から出た。
「聞いて下さいっスよ~黒子っち~、青峰っちったらなんか誰かと喧嘩したみたいですんごい落ち込んでて家から出てこないんスよ。」
「‥‥へぇ~。」
と同時に黒子とついでに緑間が又、横目でちらりと見てきた。
緑間にはつい先日、青峰が俺にキスをしている場面を見られたばかりで正直、今顔を合わせているのが恥ずかしい。
黒子は唯一の相談相手だから俺達の仲は知っている。
「でさぁ~、喧嘩したんなら謝ったら良いじゃんって言ったら、どう謝ったら良いか分からないって言うんスよ~青峰っちもまだまだっスね~。」
なんか突っ張っていた俺がアホらしくなってきた。
青峰がそんなことを言うなんて想像すらつかないけれど、黄瀬にそう言ったのは嘘ではないだろう。
そう思えばなんだか身体が勝手に動き出していて。
「って火神っち!どこ行くんスか!‥‥て、もういねぇーし。」
「‥火神君らしいですね‥‥ね、緑間くん」
「お前はどこまで知っているのだよ黒子。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 132