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優の目
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「う、、、ここは、、、?」
目を覚ますとロイヤルブルーの天井が見えた
周りを見渡すとアンティークな小物やお着物や家具で包まれたような洋風な部屋に居た
そして思い出した
優が居て
零さんが優を隠して
涼と呼ばれた男が俺の腹を殴って
そうだ、ここは
矢上組の敷地にある屋敷
矢上邸だ
一度だけ炎と一緒に忍び込んで零さんに追い出されたことがある
そう考えているとがチャリと音を立てて扉が開いた
そこからひょこりと顔を出している女
「起きたんだね、よかった」
そう言っている
格好ではよくわからなかったが
「優?」
そう聞くと首をこくりと縦に振った
姿では全くわからない
誰の趣味なんだ?
黒いゴスロリのパニエ?ワンピに金髪のロングヘアのカツラそれも緩く巻いてある
その上には黒いフリルのついたリボン
本当に誰の趣味なんだ?
「優、あいつ、目、覚めてたのか?」
「うん!」
優は俺を見た時とは全く違う笑顔で零さんを見た
あの時の目じゃない
俺の知っている優の目じゃない
これは
完璧に心を開いている目
俺が見ることのできなかった目
ここで俺はわかった
「お前は裏切り者なんかじゃなかったんだな」
「え?今、なんて、、、?」
あっ
気づいた時には遅かった
思ったことが口から出て居た
「おい、修、なんでそう思った」
冷たい殺気を込めた声で聞いて来る零さん
「俺は、優がいつも笑って居ても心を開いていなくていくら見ても優の目は笑って居ませんでした、だからきっと本当は裏切っていて、他の、本当の仲間に心を開いていて俺たちに演技を見せているんだと思っていたからです。ですが、違いました、今の優を見ていてわかったんです。優は演技をしているんではなく心が開けなかったただそれだけだったと言うことがわかりました、だからです。」
俺は迷うことなくいい切った
「お前は、優が、どれだけ傷ついたか知っているか?」
「優がいつも、心が開けなくてもがんばって笑っていた居場所絵を奪ってしまったその苦しみは俺にはわかりません、、でもっ!」
「お前はもっと知るべきだ、優の苦しみはそれだけじゃない」
追い出し意外に、なにが?
「お前はなにもしらない、だって味わったことないもんなぁ、愛してくれてると信じた自分の親に家を追い出され挙げ句の果てには死ねって言われ居場所を全て一日でなくした優の心がどれだけ、どれだけ辛かったかお前にわかるのかっ!?」
血走った目で睨みつけてくる零さんの声は怒りに震えていた
「そ、んな、、俺は、俺たちは、なんてことを、、、」
そんなひどくしたつもりはなかった
ただ炎を怒らせたらどうなるか教えるためだった
炎がそう言っていた
でも
結果的に優は
全てを失った
全部
全部俺たちのせいだ
優の人生を全て狂わせたのは
俺たちだ
俺は膝から崩れ落ちた
涙が溢れ出て来る
とめどなく溢れ続ける涙を俺は止める子よができなかった
「ごめん、優、、、ごめん、、、ごめんなぁ、、、優、、、ごめ、、、、、、、、、、ん、、、、、、ごめ、、、」
謝り続ける俺に優は泣きそうな顔で微笑んだ
そして
「ううん、気づいてくれただけで、僕は、、いいんだよ?気づいてくれて、ありがとう」
そういった
心がこもった声
目はもう昔の目じゃない
心を開いてくれた
優しい眼差しだった
優、こんな俺を
許してくれて
ありがとう
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