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アイツしか欲しくない(龍之介side)
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「ぁ…っ…あっ…イイ…っ、も…とぉ…っ」
シャワーを頭から浴びながら、火照ったマコトの身体を抱きしめて、高ぶった下肢を時に強く、時に緩く、焦らしながら扱いてやる。
「ふ…ぁ…っ、ね…っ…いれ…て…?」
「……イれろっつったって、勃たねェよ」
苦笑すると、兆しさえ見せず垂れ下がった自分自身を、マコトの指先を導いて触らせた。
「やだ…っ」
諦められないのか、やわらかいソレの前に跪いて舐め始めてしまう。
正直、欲情したマコトは綺麗だと思う。
いつもの小動物のような元気さがなりを潜め、うっとりと目を綴じると、クリっとした大きな目の印象が薄れて、儚げになる。
共に進学はしたが、自分以外の仲間はみな己の正確な年齢を知らない。
1、2歳の誤差があることは充分に考えられ、小柄な割に手足が大きいから案外これから成長期を迎えるのかもしれなかった。
全身をくまなく鍛えあげてはいたが、今はまだ少年の色合いが色濃く漂う。
これでナイフを遣わせたら自分でさえヒヤリとするほどの腕前なのだから、面白い。
向き合う敵はみな油断してマコトの前に膝を折った。
ピチャピチャ……とシャワー以外の水音が、長くシャワールームに響いていた。
「ふぇ…っ」
やがて少しも勃たないことにショックを受けたのか、中途半端なまま放置されるのに耐えしれなくなったのか、マコトが床に座り込んでしゃくり上げた。
「……ったく、仕方ねェなァ」
マコトの腕を取って抱き寄せると、なだめるようにやさしく唇を重ねてやった。
開かれた隙間から舌を差し込んで、あやすように舌を舐めてやる。
そのまま緩く下肢を擦ってやれば、すぐにとトプリ……と溢れてきた。
抱かれるより、マコトはキスの方が感じるようだ。
本来は性的に受け入れる側ではないのかもしれない。
実際、マコトが抱かれるのは自分一人だけだった。
「ん…ぁ…」
濡れた粘膜が触れ合う肉体的な快感がないわけではなかったが、身体は一向に兆さない。
下肢も相変わらずやわらかいままだ。
昔からそうだった。
入れ込む相手ができると、戦闘後を除けばそれ以外にはまるで感じなくなる。
やがて恋の熱が冷めやると嘘のように誰にでも感じるようになるのだが、熱を上げている間だけは他の誰もいらなくなる。
士郎の顔を思い浮かべた瞬間、驚くほどの熱が下肢に収束して、一気に熱くたぎった。
だが、気づいたマコトに触られると一瞬にして萎えてしまう。
あまりに正直な身体に、笑ってしまった。
再び涙を溢れさせたマコトをなだめながら、心の中で士郎を想う。
いい加減、保護者を気取るのにも疲れた。
欲しいものは手に入れる。
それで克己に恨まれたところでかまわない。
邪魔したければ好きなだけすればいい。
それでも堕としてみせる。
あの手の男には、手折られるための言い訳が必要だ。
まずは外堀から埋めていくか。
身動きができないように絡め取って、慣れさせて、甘い毒で溶かして。
気づいた時にはもはや、心も身体も思うようにならない……そんな道筋を描いてやらなければ。
面倒だが、それを考えることさえ楽しかった。
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