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聖域(龍之介side)
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昨夜は結局、明け方まで寝かせずに耳元でささやき、熱を送り続けた。
もちろん士郎には指一本触れてはいない。
日に3時間、細切れで眠れば事足りる自分とは対照的に、士郎はどうやら眠らないとダメな体質らしかった。
緊張もあるのだろうが、明け方になると意識が朦朧とし始め、声が届かなくなったところで、ようやく眠りに落ちることを許してやった。
仮眠してから生徒会役員棟に戻り、一通りの訓練をこなし、息抜きがてら正規の授業に出てから、再び士郎の部屋に戻った。
部屋の主は未だ戻ってはおらず、克己の部屋かと確かめに行くと、
「ホント、ありえない……」
学園のお姫様がベッドに沈み込み、バタバタと手足を動かし暴れていた。
「なーにへこんでんだよ?」
「龍ちゃん……」
「さっさと落としてヤってるかと思ったぜ。捨てネコみてェだなァ、オイ」
無事な右手だけで伸びをしつつ、大あくびをすると、克己がムッとして睨みつけてくる。
「……あんなの誘惑なんかできないよっ」
「……へぇ、おまえにンなこと言わせるなんて、わりと骨あンのな。隠し球でも持ってたか?」
「……まぁね。でも教えてあげない。あれは僕の獲物なの。取ったらひどいよ?」
思わずクッと笑った。
「オマエのそーゆーとこ、わりかし気に入ってンだよなァ」
「知ってる。骨のないヤツ抱いて何が楽しいとか、聞き飽きたから、それ」
昨夜の士郎の姿を思い出し、思わず顔がニヤけた。
「あんまりシロちゃんイジメないでよね? あれでけっこう打たれ弱いんだから」
今朝、真っ青な顔で起きてきた士郎に、克己が目を見開いた様が目に浮かぶようだった。
「ってか、ムチ打ってんのはおまえじゃねェの?」
「……ホント、ヤなトコつくね」
克己は士郎の聖域だ。
克己のためなら士郎はどんな無茶でも喜んでするし、どんなリスクだって負うだろう。
「まぁ孤高なオトコのふと見せる孤独な陰ってな、そそるよなァ。……首根っこつかんで跪かせてブチこんでよ、ほら泣けっつってイジメたくなる」
「……鬼畜すぎ」
「セーヘキは人それぞれってな」
「あーあっ」
克己はベッドに突っ伏して、再びしなやかな細い足をバタつかせた。
なんでうまくいかないんだろう、とでも言いたげだ。
「そりゃ、あれこれ中途半端だからだろ?」
呆れ混じりに肩をすくめた。
「1人になるのもイヤ、傷つけるのもイヤって、ガキか、テメェは」
克己がキッと睨みつけてくる。
「勝手に人の気持ち読まないでくれる!?」
「何しろ利き手がこんなだろ? あれこれできなくて、ヒマで仕方なくてよ」
「あーっ、ムシャクシャする。龍ちゃん、ちょっとつき合って」
言うなり右腕を引かれ、ベッドに押し倒しされた。
馬乗りになり、カチャカチャとこちらのベルトを外すと引き抜き、ほんの2、3個、申し訳程度に留められたシャツのボタンを外してしまう。
「……軽。……ンだよ、ヒドくされてェ気分かよ?」
「その手でできるんならね。どーせシロちゃん落とせなくて、溜まってんでしょ?」
「まぁ、オマエとイチャついてるトコ見せたら、アイツ間違いなくヘコむよなァ」
克己相手には勃たなくても、士郎を想像すれば容易に反応し熱を持つ。
「……ホント、ムカつく」
目の前に自分がいるのに、いない相手で妄想されるなどさすがにプライドが許さないのだろう。
取り出した重量感のある塊を乱暴に握られ、さすがに眉を寄せたが、次の瞬間には軽々と上下のポジションを入れ替えた。
「……悪ィ。やっぱこのアングルのが、しっくりくるわ」
言うなり、無理やり克己の小さな口に突っ込んだ。
「う…っ」
やわらかさを残した塊でも、喉奥を容赦なく突かれれば苦しいだろう。
生理的な涙でも、泣かされたことが悔しいのか、くびれの部分に少し強めに噛みつかれた。
「ンのヤロ……」
お返しとばかりに三角巾で吊った肘を首に入れ、白い喉元に噛みついてやる。
「その目、けっこうソソるぜ……? もっと睨めよ、なァ……?」
片手で悠々と己の体重を支えると、己の残した跡を眺め、満足気にその跡をペロリと舐めた。
「ドラキュラに噛まれた跡みてぇ……。なぁ、身体中に跡、つけてやろうか……?」
わずかに乱れた吐息に、克己がひどく感じているのがわかる。
「……ぅ、ん…っ」
触れてもいないのに、たまらなく疼くのか、勃ち上がりかけた己のモノをこちらの足に擦りつけてくる。
それでも、あくまで瞳は強気たっぷりに睨みつけてくる。
「腰、揺れてるぜ……? ガマンの限界なんじやねーの?」
克己は熱い塊を繊細な指先で擦りながら、震える声で言った。
「龍ちゃん……、だって、息、乱れてるけど……?」
目の前にいるのは克己だが、その果てに傷つく士郎を思えば、熱も上がる。
「……強気だな。このかわいいモン縛って、ドライでイカせまくってやろうか……? オレはアイツほどやさしかねェからな。気ぃ失うまでヤッってやるぜ……?」
「……それでもっ、シロちゃんは呼ばないから……っ」
「……上等だ」
身体を起こすと、ベッドの背もたれに身体をもたせかけた。
「なら、なんもしてやんねーよ?」
組み敷かれ、嬲られた時のすべてを忘れてしまうほどの快感を思い出しているのか、克己が唇を噛みしめる。
欲しい。欲しくて欲しくて気が狂いそうだと、その瞳が語っていた。
それでも克己にとっては譲れない一線なのだろう。
「シロちゃんが欲しいなら…っ、ちゃんと口説いて振り向かせてよ……っ」
克己は泥のように重い身体を引きずるように隣室の扉を開けると、最後の力を振り絞るように、自分を常に背後で見守るナイトの腕の中に倒れこんだ。
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