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終わらせたくない(龍之介side)
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ヒクヒクと息づく入り口に先端を触れさせて、燃えるような熱さと潤んだ感触を楽しんだ。
そのまま少しだけ、腰を進めるのではなく引いて距離をとると、クチュ……と、濡れた音が響く。
「なァ……、こうやってっと、キスしてるみてェじゃね?」
まだ煽るのかと、絶望を瞳に宿した士郎が呆然と見つめ返してくる。
視線を交わしながら、2度3度と先端で軽く突いてやれば、濡れタオルでキツく結ばれた熱の先端が許しを乞うようにヒクリと震えた。
筋の浮かび方や反り返り具合で、自ずと限界は知れる。
縛っていなければイキッ放しなほどに昂ぶっている。
気が遠くなるほどの時間と労力をかけて、そうなるように追い上げた。
この自尊心の塊のような男から、欲しいという一言を引き出しただけで納得すべきだ。
これ以上はきっと受け入れられない。
なのに士郎がかわいく啼けば啼くほど、底意地の悪い自分を抑えきれなくなる。
「……やっぱ気が変わった。欲しけりゃ自分で入れてみな」
「……!?」
そそり勃ったモノを見せつけるように、ヘッドボードにもたれかかり、投げ出した脚を開いて、その間に来いとアゴをしゃくる。
「……どーした? 克己のためなら何でもすンだろ?」
ここで止めるなら、克己と達也をペアにする約束はご破算だと暗に匂わせた。
あまりにショックだったのか、士郎の下肢が萎えかける。
だが、足の爪先で足裏をつ……と撫でてやるだけで、一度追い上げた身体は再び簡単に高ぶった。
足裏への愛撫を続けながら、全身をビクビクと震わせ使命感と屈辱の狭間で揺れる姿を意地悪く愛でる。
ここまで追い詰めてもなお完全には屈せず、骨のある態度を見せてくれる士郎が愛しくてたまらなかった。
この学園に来てから何人かに入れ上げはしたが、ここまで楽しませてくれた相手はいなかった。
大抵は気を入れて高ぶらせると、完全にコントロールを失った。
男とは初めての相手もいたが、我を忘れたように欲しがり、抱いて熱い身体を鎮めてやりながら、己の中の狂った熱が引いていくのを感じていた。
落ちてこいと願いながら、同時に落ちてくるなと拒む。
こんな自分の矛盾を同時に満たす相手など、永遠に現れない。
そういう意味では、乾いた荒野を永遠に行くのだと思っていた。
だが、コイツなら……と、懲りずに期待してしまう。
見下ろす視線の先で、士郎はまるで油の足りない古い自転車のようにぎごちない動きで身体を起こすと、整わない呼吸を必死に殺しながら、身を寄せてきた。
まるで死を覚悟した悲壮な武士のような深い覚悟をたたえた瞳に、ズクン、と震えたのは下肢だけではない。
太ももの間まで身体を寄せてきた士郎が、震える指先をこちらの熱に絡めてきた。
「……っ」
緊張のせいだろう、やけに冷んやりとした指先が心地よかった。
それがやがて同じ熱に染まり、溶け合っていく。
堅く引き結ばれた唇にさえ、ひどく欲情した。
唇を割って己のモノをねじり込みたい衝動と束の間、戦った。
支えるものを探している士郎の空いている方の腕を己の首に絡めさせ、導いた。
「カンペキ溶けてっから、痛みはねェはずだ。……ゆっくり降りて来い」
耳元であえて低く吐息混じりにささやき、直接脳を犯してやる。
「……っ」
キツく目をつむった士郎の腰が、砕けかけた。
士郎がこの声にひどく感じることには、早い段階から気づいていた。
人並み外れて音への感度が高い。
嬲りがいのある名器だった。
「……オンナにされたオマエを見て、克己はどう思うだろうなァ?」
「……地獄に落ちろ……っ」
この後に及んで、この溶け切った身体でまだ悪態をつくかと、声を上げて笑った。
ひどく愉快だった。
「……いいぜ。オトせるモンならオトしてもらおーか」
身体をつなげてもこの威勢が失われないといいと願いながら、視線を捕らえ、その時を待つ。
再び触れた入り口が、まるで自ら迎え入れるかのような卑猥な動きを見せた。
「……っ」
強烈な圧迫感を経て、熱い中に呑み込まれていく。
未知の感覚に揺れる瞳を、余さず見つめていた。
士郎なりのプライドなのか、一気に深い場所まで到達する。
「は…ぁ……っ」
身体の奥深い場所を侵食され、自分もまた溶かされていくのを感じていた。
抱いているのか抱かれているのか、束の間わからなくなる。
本音を言えば、抱くのでも抱かれるのでもどちらでもよかった。
はなからそこに意味などない。
中がうごめく。ヌメった熱い粘膜に、絞り取られるようだ。
「たまンねェな……」
大きく息をつけば、その声に反応して中がうねった。
「は……っ」
このまま自分のカタチを覚え込んでしまえばいい。
他の誰でも満足できない身体に染め上げてしまいたかった。
終わらせるのがもったいないほどの情交など、いつ以来だろうと思いながら、衝撃の過ぎ去った士郎の身体が快感をひろい始めるのを辛抱強く待った。
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