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不協和音(龍之介side)
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生徒会役員棟の手術室にストレッチャーに乗せたユージンを密かに運ぶ。
人質用のハードなベルトで病人をストレッチャーに固定しするのは気が引けたが、まぁ致し方ない処置だろう。
何しろ、こちらの命を取りにきた相手だ。
念には念を入れるに越したことはない。
かなり血を流しているせいで、ぐったりと目を閉じてはいたが、意識ははっきりしているようだ。
濡れタオルで顔を拭いてやると、迷彩の塗料が落ちて、素顔が露わになった。
メガネを取った顔は、記憶の中の誰かに似ている気もしたが、未だしっかりとした像を結ばない。
「リュー、マコト、中に入って手伝え」
手術着に着替えたルイが手を消毒しながら言った。
「ハルは?」
「いても邪魔なだけだ。二度とこういったことのないように、セキュリティーの見直しでもしておくんだな」
「はぁ!? いても邪魔とか、ひど過ぎだろ!」
マコトが声を荒げた。
だが自分に言わせれば、ハルトを毛嫌いするルイも過度にかばい過ぎるマコトも、どっちもどっちだ。
もうガキじゃないんだから、適当な距離感でうまくやってほしかった。
世の中、何でも思い通りになると思っているお子サマ達には、つき合いきれない。
「内臓ヤられてるわけじゃなし、補助すンのはオレ一人で充分だろ」
「その腕でまともに補助できんのかよ?」
「ついでに縫わせるから、いーンだよ。マコはハルとシャワーでもしとけ」
「えーっ! シャワーでイチャイチャしてくれる約束だろ!?」
「は? さっき飲ませてやったろーが」
あれでチャラだと追い立てる仕草をすれば、不満タラタラにハルトを連れ去っていく。
「さてと」
さっさと終わらせて事情聴取だと、ルイを手早く手術室に追い立てた。
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