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報復(龍之介side)
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ピッ、ピッ、と規則正しい心電図のモニター音が時を刻む。
傷口を洗浄した後、局所麻酔を施し、皮膚を縫っていく。
自分も簡単な縫合程度はできるが、ルイのそれはレベルが違う。
そんじょそこらの外科医より遥かに優秀だ。
人体構造を完璧に理解した上、世界中の手術映像をハルトに取り寄せさせ、戦闘モジュールの隣に併設された手術用モジュールで日夜研鑽に励んでいる。
内臓に達する傷はもとより、脳や心臓のミクロ単位の手術まで、大抵のものは難なくこなしてしまう。
学園の生徒が盲腸からくる腹膜炎で危険な状態に陥った際、臨時措置としてここを解放し、無事命を救ったこともあった。
チーム内に優秀な医者がいるというのは非常に心強い。
「外科用せん刀」
「……ほい」
医療用のハサミを逆手に持って、差し出されたルイの手の平に乗せた。
皮膚に溶ける種類の糸を結んで切ると、ルイは針および外科用せん刀をステンレスのトレイに揃えて乗せた。
「……はぁ、疲れた」
不機嫌そうに手術用グローブを外し、新しいものと取り変えた。
「次」
アゴでしゃくられ、苦笑した。
これはいろいろと覚悟した方がよさそうだ。
「センセー、局麻、よろしくな」
椅子に座り、上半身を脱いで傷口をさらすと、案の定、鼻で笑われた。
「薬のえらい効きにくい体質だから、怪我には気をつけろってあれだけ言っても聞かないバカに、誰が貴重な薬を使ってやるもんか」
「や、多少は効くと思うぜ? ほんの気休め程度にはよ」
「なら、ご褒美くれよ」
いかんせん、完璧にスイッチが入ってしまっている。
「オレと密室で二人っきりになる意味、わかってるよな?」
ギャーギャー揉められるよりはマシだと踏んだのだが、いかんせん目の据わったルイというのはひどく迫力がある。
腕を取られ、注射針で謎の液体を注入された。
大方予想はついたが、治療の交換条件として提示されれば受け入れざるを得ない。
冷たい眼差しのもと、手早く正確に傷口が縫い合わされていく。
医療用のテープで傷口を保護され、ネットを巻かれた。
「は…っ」
やがて動いてもいないのに、呼吸が乱れ始める。
身体が熱くてたまらない。
肌が泡立ち、中心部にキュっと熱が集まっていく。
「く…っ」
「ははっ、クスリに耐性のあるリューのために、倍量どころか五倍は盛ったからな。さすがに勃つだろ」
「……もう出ねェよ」
さすがに昨日今日で出しすぎた。
「別にいい。勃ててくれりゃ、勝手に乗るし。オレを満足させたら、解毒してやるよ」
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