アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
疑惑(士郎side)
-
「リューの腕の具合は?」
「酸素カプセルで寝かせてトレーニングも必要最低限にして、無理は控えさせてる。鋭利なナイフの傷は治りやすいからな、あと2週間くらいで元通り動けるようになるだろう」
怪我をしていたのかと驚いた。
おまけにナイフの傷だと?
「……微妙なトコだな」
「ああ。組織関連の情報、何かつかめたか?」
「や、何も。てかハルにつかめない情報がオレんトコに降りてくるワケないし」
「……あいつ、少しヤバイかもな。根詰めすぎだ。さっき見たら、目ぇ血走らせて、ドス黒いオーラ振りまいてたぞ」
「なになに? いっつもバカにしてばっかのくせに、心配してんだ?」
「バカが。あいつがダメになったら、情報経路そのものが絶たれんだろ」
「相変わらず、冷てーの」
「冗談じゃなく、無理にでも少し寝かしつけた方がいい。人間、睡眠を絶たれると思考力も判断力も極端に低下する。あいつは前の作戦でも相当、無理してたろ? もういい加減、限界なんだよ」
「……確かに。てか、それこそ医者の役目じゃね?」
「薬やるから、上手く飲ませろ」
「はいはい。けどハルのことだから、この会話も司令室で聞いてんじゃないかな。3つのPC同時に操って情報取るとか、信じらんねー。オレなんか一台すら怪しいってのに」
声と足音が遠ざかっていく。
ドクン、ドクン、と心臓が嫌な音を立てた。
ナイフの傷? 組織?
あいつらいったい、何をやってるんだ……?
しばらくの間、呆然とその場に立ち尽くしていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
78 / 261