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侵入者(龍之介side)
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戦闘モジュールでの訓練を3クールこなした後、ストレッチで凝り固まった身体をほぐし、再び射撃場に戻った。
棚からライフルとイヤーマフを手に取り壁際に座ると、素早くライフルを解体し組み立て直しながら、異常がないことを確認した。
腕に多少の痛みは走るが、たいしたことはない。
ファイアリングラインに陣取り、イヤーマフをつけ、うつ伏せで横になる。
ライフルを構え、100メートル先の動く的に照準を定めた。
数発打った時、背後の空気が動いた。
仲間内の誰かが訓練に来たのだろうと、放っておいた。
ルイだとうるさく言われて面倒だとも思ったが、幸いストップがかかることはなかった。
満足いくまでとはいかないが、それなりに撃ち込み、腕に痺れが出始めたところで、安全装置をかける。
身体を起こしてイヤーマフを外し、背後を振り返ったところで、目を見開いた。
思わずライフルを落としかけて、慌てて力を込めた。
心臓が嫌な音を立てた。
モデルガンで遊んでいるだけだと言い訳しようにも、辺りには薬莢の匂いが色濃く漂っている。
壁一面にはあらゆる武器が整然と整備されていた。
もはや言い訳のしようもないと、あきらめた。
「……ハルか」
なかなかにやってくれる。
心を奪われすぎた自分への罰だと言わんばかりの仕打ちに、もはや笑うしかなかった。
「……何が知りたい?」
壁にライフルを立てかけながら、聞いた。
「おまえのことなら、何でも」
静かな声音に、ライフルを離そうとした手の動きが止まった。
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