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認めたくない(ハルトside)
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『開けろ……!』
開けないのなら、おまえとはこれで終わりだと言われた気がした。
それほどの本気が含まれていた。
罪悪感に目を伏せたのは、一瞬だった。
龍之介はすぐにも顔を上げ、士郎の手を引いて歩き出す。
たまらなくなって、映像から目をそらした。
自分の時とは何もかもが違っていた。
いつだって仕方ないとつき合ってくれたし、感じ達してもくれたけれど、違うのだ。
そらした視線が再び愛しい人を求めて、スクリーンに吸い寄せられる。
部屋に入った龍之介の士郎に向けられた瞳に映る想いの深さに、絶望した。
こんな風に熱く激しく求められたことはない。
世界中でたった一人、自分だけの相手がいるというのは、いったいどんな感じなのだろう……?
この人を失ったら生きていけない。
それは自分だって同じはずなのに、いったい自分と士郎の何がそんなに違ったのか。
理解などできないし、したくもなかった。
意識がかすむ。
涙が溢れた。
誰かに、ためらいがちに抱きしめられた気がした。
安堵した瞬間、蓄積された疲れも手伝って、完全に意識を手放していた。
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