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好きな人の失恋は自分の失恋でもある。
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泣きじゃくって、泣きじゃくって。
そういえば草薙先輩はどうして宮下先輩を諦めたのか気になった。
そして僕は、まだ校内に宮下先輩がいるのかも分からないのに探すために走り出した。
.............図書室の中で草薙先輩が僕の泣き文句に唖然していたとも気付かずに。
(宮下先輩、宮下先輩)
遠目からしか見たことがないけれど、何となく覚えている。
その時、視界に銀が入ってきた。
「うわっ」
「おっと」
知らない人の二つの声。
顔をあげれば、探し回っていた宮下先輩と、先程目に入った銀色の髪を持つこれまた美人な月島先輩。
「大丈夫か?」
「す、すみません」
宮下先輩に心配されて、不覚、とばかり僕はしょげた。
その時気付いた。
2人の雰囲気が恋人のそれだって。
月島先輩は宮下先輩を暖かく見守ってて。宮下先輩は月島先輩を信頼してますってオーラが出てる。
草薙先輩は、月島先輩に勝てないって分かって諦めたんだ....。
月島先輩より、草薙先輩の方がかっこいいのに。
「お、おい、どうした?」
さっきから一言も話さない僕に、宮下先輩が更に心配して声をかける。
「く、草薙先輩はっ!誰よりもかっこよくて、優しくて、大好きなんですっ!!」
思わず、叫んでいた。
ハッとしてお二人を見れば、案の定ポカンとしている。
「ご、ごめんなさい...」
謝ると、月島先輩が笑って言った。
「草薙の事がずっと好きなんだね。頑張りな」
もう何も言えなくて、ただ頷いて道を開ける。
結局何をしたかったのか自分でも分からなかった。
だけど。
僕は草薙先輩が大好きなんだって改めて思った。
ねぇ、草薙先輩。
僕は直ぐに顔が真っ赤になって、根暗で、声も小さいし背も小さいけれど。
草薙先輩を好きな気持ちは誰にも負けないし、でっかいんです。
草薙先輩を思ってもう二回も失恋しちゃったけど。
でも、これからも大好きです。
***
ひとまず林檎くんの恋は終わりです。
彼は草薙の幸せ第一なので、さっきは勢い余って好きと言ってしまったけれどこれからも告白はしません。
出来たら振り向いて欲しいなぁ、出来たら付き合えればなぁ。と出来たらって感じです。
でも草薙を思う気持ちは誰にも負けてないっ!って負けず嫌いです。
果たして草薙は彼を好きになるのかどうか。
また続きをいずれ書こうと思います!
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