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ハジマリ
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直ぐに腹が立っていた熱は収まり、苦渋に揺れた主さんの瞳を見つめる
俺は主さんにこんな顔をさせてしまったのか……
主さん目から目をそらし下を向く
多分というか、絶対、悲しんでいるのは俺が主さんに俺に怪我させたのか、と聞いたからだよな
ここは主さんの部屋だろうし、美味しそうなスープだって、汗を拭き取るタオルだって全部全部、俺の為にしてたんだよな
……よく考えれば分かったはずなのに
でも、俺がそれを言う前に、俺は主さんに手を払われた
それはなぜだろう?
もう一度顔を上げれば主さんはまだ俺を見ていた
そして俺も主さんを見つめる
主さんというより、主さんの瞳を見つめた
主さんの瞳は黒色で、それでいて透き通っている
でも、主さんの瞳の中は何か真っ黒な闇があるような気がする
傷つけた俺が言うのもアレだけど、一言言われてあれほどの顔をする人はいないだろう
俺の友人があんな顔をするのを見たことがない
きっと、主さんには何かあるんだ
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