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大好きな幼馴染みⅤ
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「こーちゃん?」
「からかってるのか?」
「え?」
「俺がお前を好きなの知ってて、からかったのか……。」
「え……す、好きって……」
こーちゃんは泣いていた。ポロポロと涙を流して、俺のことを睨み付けている。
鋭く尖っていた目は細くなって、つり上がっていた眉はだんだんと下がっていく。
食い縛っていた唇も、嗚咽を漏らす度に力が抜けていく。
「好き……。好きだよ楽……。好きだよ。」
そう言って、真っ赤になった悲しそうな泣き顔が胸の中に埋まるように押し付けられる。
「楽の意地悪……っ。」
身体を小さくして出来るだけ俺にくっつこうとする。回っていた腕が優しく優しく引き締められていく。すり寄るようにゆっくりと。
彼の言葉が、彼の声が一つ一つ胸の中に刷り込まれていくように、心臓が早鐘を打っていく。
「……キス、してよ……っ。」
「こー……ちゃん……?」
「キスして……俺にキス、して……。」
「こ、こーちゃん……!?」
「好き……。」
スリスリと胸に頬を擦り付けてくる。身体をペッタリとくっつかせて俺の体温を、俺の温もりを感じようとしているのが分かる。
「こーちゃん……。」
こーちゃんあったかい……。くっつくなとか言ってた癖にそんなにくっつかないでよ。
心臓の鼓動が早い。聞こえてしまうんじゃないだろうか。それとも、聞こうとしてるのかな……。
「楽の心臓の音がする……。」
──やっぱり聞いてた……!!
身体中の体温がより一層高くなった気がした。
「楽……ドキドキしてる……?」
「そ、そんなの……そんなの……っ。」
俺はこーちゃんの首筋に埋めるように頬をすり付ける。
「──ッ……!?」
「ドキドキするに決まってる。好きだって言ったじゃん俺。告白したじゃん今さっき……!!」
何でこんなこと言わせるんだよこーちゃん。
何で好きだなんて言うんだよ。
好きなら何で俺のことフッたりするの。
「楽……違う。それは思い込みだよ……。」
「何でそんなこと言い切れるの……。」
「だって……さっきキスさせてくれなかった。」
「……そ、それは……!」
こーちゃんは瞳をこちらに向けてそっと頬を包む。俺の顔を彼に向けさせて、じっと見つめている。
「楽が俺を好きなら、避けないでよ。俺とキスして。」
「こ、こーちゃん……。」
こーちゃんのか細い苦しそうな息が唇に触れる。こーちゃんの熱い息を感じると、自然と目が閉じられた。
「楽……好きだよ……。」
「俺も……好き……」
──だけどやっぱり今の俺では、こーちゃんを受け入れてはいけない。
「でも、ダメ……。」
ゆっくりと肩を押すと、こーちゃんはまたポロポロと涙を流し出した。ぎゅっと首を力一杯抱き締められる。
「何で……っ。
好きって言った、ちゅーしてよ楽……っ!!
俺に、ちゅー、して……っ。」
綺麗な唇をこちらに向けて突き出して、俺の唇めがけて一気に距離を縮めた。
「ダメ……っ、ダメだよこーちゃんっ!」
肩を押して制止しているのに、こーちゃんの真っ赤な悲しそうなキス顔がどんどん距離を縮める。
──そんなに迫らないでよこーちゃん……。こっちはキスしたくてたまらないのに……。
「楽、好きっ……ちゅー、してっ……。」
こーちゃんは唇を突き出して、首に回した腕で俺を押さえ込む。
強引に口づけしようとするこーちゃんの力は強くなって、抵抗しても少しずつ近づいてくる。
こーちゃんの唇が、後数ミリでくっつきそうだった。
──ダメ、
ダメだよ、こーちゃんっ。俺こんな気持ちでこーちゃんにキスしたら後悔しちゃうよっ。
「俺さっき、トモくんにキスされたんだ……っ!!」
そう言って顔を背けると、こーちゃんの動きが止まった。
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