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絶対に落とされないⅠ
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「……ハァ……。俺、何であんなことしちゃったんだろ……。」
ユニホームのまま廊下を歩いて、上がってきた出入り口で靴を履いた。いつの間にか日は浅くなっていて、満月がこちらを見て微笑んでいる。
──白舞みたいだ……。
いや、もっと明るくて綺麗だから白舞は太陽の方が似合うか。
「──ってまたあいつのこと考えてるしッ!!」
……まさか、白舞が男だったなんて……。つくづく男好きなんだな俺……。
そもそも何でこんなに男にばっか興味持つようになったんだっけ……?
泥々に汚れたユニホームを見て、白舞汚れてないかな……何てことを思ったりした。
唇に残る白舞の感触を味わうように、舌舐めずりをする。
「……うう、俺キモい……。好きになって貰える訳がない。」
……ああ、紅州(ぐしゅう)が羨ましい……。俺も紅州みたいに白舞に好きになって欲しい。
──て言うか、白舞は何で紅州が好きなんだ? もしかして、紅州、喧嘩強いから守ったとか……。
──いや白舞の方が強いか……。
あの見事な怪力の理由は男だからか。筋肉ついてないように見えたけどな……。
「白舞……。」
唇を指で撫でて、白舞の感触を思い出しながら唇を吸った。
吸って戻したらリップ音が鳴って、恥ずかしくなって周りを確認すると、人気は全くなく、安心してほっと息を吐く。
「早く帰って拭かねえとやべえことになる……。」
今夜はいつもより酷そうだな。それに何か、複雑だ……。
「……天川(あまかわ)くん?」
横断歩道で信号が青に変わるのを待っていると、後ろから声をかけられた。
「あ、蛭崎(ひるさき)。部活帰り?」
蛭崎は白舞の親友だ。
──と言うかこの子は白舞に懐きすぎて、友達以上のスキンシップをするような仲で、俺にとって嫉妬の対象のような人物だ。
「まあ。そう。天川くんも?」
「そ、そうだよ。」
「楽(らく)ちゃんのことまだ好きなのか?」
「ま、まあ……うん。好きだよ。」
「無理だから早く諦めろよ。」
「なッ!? 何で無理って決めつけんだよ、まだまだこれからだからな……!?」
月明かりに光る2つの輝くツインテールをふりふりと揺らして、「無理無理。」と、バカにしたような蔑むような表情をしながらぶんぶんと顔を横に振る。
「だって私の楽ちゃんだし。天川くんに──……いや、永遠の汚物である男共にあげる気なんて、そもそもないから。」
──相変わらずの男嫌い……。紅州の女嫌いといい勝負だな……。
「──特に金髪ヤンキーには……。」
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