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絶対に落とされないⅡ
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……紅州だな…………。
「紅州のこと好きだから?」
「はぁん? あり得ないやめろよ吐き気がする。」
凄い言われよう……。
「そ、そうじゃなくて……白舞が紅州を好きだから嫌いなんだろ? 違うのか?」
「…………。」
蛭崎は黙り込んで、
「──はぁあッ!?」
と、胸ぐらを掴んで、険しい表情で睨んでくる。
「なぜ楽ちゃんがあんな男を好きになる!?」
「え、だってよく好き好き~ってあいつのこと聞きに来てたよ。」
「そんなの聞いたことない。あの腐りかけの納豆みたいな男を……私の楽ちゃんが……ッ!?」
納豆は元々腐ってるだろ。
「ふ、ふん! けどあの納豆男と楽ちゃん、入学した頃から一度も話したことはない筈だ!」
「え、でも日直の仕事とかで話してなかった……?」
「あんなものはカウントに入らん! そもそも何で教えてくれなかったんだ楽ちゃんは!」
「お前があいつを毛嫌いするからだろ。」
「なるほどそう言うことか。」
「案外あっさり納得するんだな……。」
「だって男は全員嫌いだ。特にあいつ。」
「それが理由じゃないなら何でそんなに紅州のことが嫌いなんだ?」
「あいつは私の大事な友達を泣かせる。
期待を持たせるような振り方をして気合いを入れさせ、また絶望させ奈落の底に叩き落とす。」
表現の仕方に紅州への差別が見受けられる……。
「あいつのせいで友達が何度も泣いた……。」
「でもあいつの気持ちも考えてやれよ、な?」
「分かってる。だが嫌いだ。どんな形であれ皆の泣き顔を見るのは辛い。」
「……そうだな。」
俺はお前の大好きな白舞を泣かしちまったけどな……。
「白舞は、蛭崎みたいな友達がいて羨ましいな。」
「友達いないのか?」
「いやいるけどさ、そこまで大切に思われることってあんまりないと思うし……。」
「そうだな。楽ちゃんは大切だ。──だから貴様には渡さん。」
「あ、あ~うん。もういいから。」
──諦める気ないし……。
「でもさ……白舞の笑顔って安心するんだよ。
何か本当に友達だって感じられるの、白舞だけなんだよね。
いやもちろん皆友達だとは思ってるけど……!」
「分かる。」
「え?」
「楽ちゃんと一緒にいると楽しい。楽ちゃんは周りと違って特別な存在だ。」
「……そっか。」
──そうなんだよな……。
何か白舞の声だけ、心の底まで響いてくると言うか……。
きっと、皆が惹かれる理由は容姿が可愛いとか性格が明るいとか、それだけのことじゃなくて、
白舞が人間として魅力的だから、
憧れて、
好きになって、
白舞にそばにいて欲しいって思っちゃうんだ。
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