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お泊まり大会secondⅠ
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「絶(ぜつ)兄……どうしてここに……。」
「気まぐれだよ。──おじさん、立てる?」
絶兄──凪波絶華(なぎはぜっか)は俺の従兄だ。
母の、姉の息子である。彼の両親はもうすでに他界していて今では一人暮らしをしている。
まだ30代と言う若い歳に亡くなった。彼は親戚の家に預けられて育てられて、時々家にも遊びに来ていた。
──彼は普通に俺の部屋で寝泊まりしていたけど、俺が閉じ込められていることに気付かぬまま共に時を過ごしていた。
彼の遊びに来る時 はいつも側に居てくれて、一人ではなかった。
だからこそ彼を慕っているし、何より身内の誰よりも歳の近い彼とは遊んで貰うことが多かった。
彼が来る度、疲労した心が癒される。
家族よりも俺を分かってくれて、側にいてくれる彼は、俺の神様のような人だった。
「大学は?」
「休み。久しぶりに金に余裕ができたから来てみたんだ。」
優しく微笑む彼の美しすぎる笑顔は、本当に神様のようだ。
「絶華ぁ、酒飲むぞ~酒ぇ~」
「もう飲んだんでしょ。おじさん明日も仕事だよね、もう休んで。」
絶兄は父さんの腕を肩に回して抱えて、階段を降りていく。絶兄が何か思い立ったようにこちらに振り替える。
「──朋哉、今日泊まるからね。」
にっこりと嬉しそうに笑う彼の笑顔に、一瞬ドキッとしてしまう。
「う、うん……。///」
頬に付いた熱を手でぺちぺちと軽く叩いて散らす。
……この世のモノではない。
整いすぎたその容姿も、美声も、世界から浮いていた。
そこに存在するのは、まるで異世界から来たのではないかと思うほど、美しい生き物だ。
彼の笑顔には白舞とは違う、特殊な異質性がある。
白舞の笑顔は柔らかく包み込むような安心感をくれるけれど、絶兄の笑顔は心に強い衝撃を与えて虜にする。もう絶景の域だ。
まるで蜘蛛の巣に絡め取られるように、抜け出せなくなる。
そのまま彼に食されて、彼の魅力の渦の中に巻き込まれる。
1度絡まると抜け出せない、そんな依存性の高い笑顔だ。
……俺のこの高揚感もほぼそれに近い。
部屋に戻ると、身体が勝手にベッドに倒れ込んだ。うつ伏せの状態から仰向けに手を大きく広げる。
──今日はやけに疲れるな……。
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