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「ただいま~っ!」
「──お姉ちゃんおかえりぃ~っ!」
玄関を開けた瞬間、胸に小さな少女が飛び込んでくる。
「おぅ、朝喜(あさき)っただいまっ。」
「あれ? 女装は?」
「学校で男に戻れって言われちゃって……。」
「バレたの!?」
「まあ俺戸籍上は女だけどね。」
こーちゃんは、ひょい、と後ろから弟──白舞朝喜を覗く。
紅州公(ぐしゅうこう)ことこーちゃんと目があった彼女は、顔を引きつらせる。
──家の中に引き込まれ、弟は玄関扉を閉じて鍵を閉める。
「ちょ、外にこーちゃん置いてきちゃってる……!」
外から、「忘れ物みたいに言うなー!!」とこーちゃんの罵声が聞こえる。
「どうしてあいつがお兄ちゃんと一緒にいるの!?」
「え、知り合いだっけ?」
涙目になって、朝喜が胸をぽかぽかと叩いてくる。
「あいつ昔僕のお人形素っ裸にして泡だらけにしてたぁ……っ!!」
「確か、汚れてたから洗ってあげたんじゃなかったっけ?」
「お人形の服を高いところに結んで届かないようにしたぁ……っ!!」
「確かそれも洗濯して干してたんだよね?」
「僕の大好きなお兄ちゃんを取ったぁあ……っ!!」
「そのまま玄関に置いとこうか。」
『オイ』
「冗談だよ、妹が可愛くてつい……。」
「お姉ちゃんじゃなくなるなら僕も弟でいいやっ!」
だらしないけど可愛らしい、にへ~っとした笑みを浮かべて、朝喜はウィッグをぽいっと廊下に投げつける。
「こらこら、それ高いんだから乱暴しない。」
「ごめんなさい。」
「許す代わりにこーちゃん家にあげてもいい?」
「分かった、いいよ……。」
肩を落としながら唇を尖らして拗ねる弟に困りながらも、玄関の鍵を開けて扉を開ける。
「このまま野宿するのかと思ったぜ……。」
「その時は俺も一緒にいるよっ。」
「今日えっちするの?」
「「──はいッ!?」」
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