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resetⅣ
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「はあ? トモはトモだろ。」
こーちゃんが画面に映った茶髪のイケメンを指差した。
恥ずかしそうに俯いた彼を、女装した俺が抱き締めて頬を押し付けている。
「あ、トモ兄だ。」
「え?」
「え?、って、お兄ちゃんいい加減冗談やめてよ。」
「冗談って? え、朝喜の知り合いなの?」
「何言ってんの? この間俺に言ってきたじゃん、好きって言われて酷い振り方しちゃったって、泣いてたじゃん、ずっと。」
「……何、それ?」
全く記憶にない。
──俺が泣いた?
画面の嬉しそうに彼に飛び付いて笑顔を浮かべる自分を見て、急に胸が苦しくなった。
……本当に、
分からない。
けど、彼の恥ずかしそうな表情を見てると、
「……分からない。」
何か思い出せそうになるのに、何も思い出せなかった。
……まるで、記憶を削除されたみたいだった。
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