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洗脳Ⅲ
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「……。」
「君の視線はいつも、朋哉に向いている気がするけど?」
「妬んでるからだよ。小ネギは俺の楽を──」
「いや違うね。惚れてるんだ。君は。」
いつも優しい笑顔を浮かべている彼は、うまく表情を読み取れない。
ただ、冷たい視線と冷たい表情と、恍惚とした表情を無限に繰り返しているだけのようにも見える。
「……妄想はやめろ。」
「朋哉は可愛すぎるから……異質な者に好かれてしまう。
朋哉は優しいから、好かれるのは当たり前だけど……それを潰して置かないと、彼が孤独じゃなくなっちゃう。
俺だけの朋哉なのに、皆の朋哉になっちゃうだろ?」
「俺は好きじゃない。」
彼は失笑して俺を観察するように眺めた。
「俺が君にそう言ったから、君はそう思ってるだけだよ。」
「何?」
「解いてあげようか。」
「何を言って────」
『明日君は朋哉への本当の気持ちに気づく……。』
「……っ!? やめろ!!」
急に抱き締められて、美しい妖艶な声で耳に囁かれた。
麻痺するように彼の声に聞き惚れていると、更に強く抱き締められる。
『明後日はそんなのすっかり忘れて、君は白舞楽夜くんに夢中になってるよ。』
「──……っ!? は、離せ……!!」
……俺は、知らぬ間に彼の思い通りにされていたのか。
もしかして、楽との思い出も記憶も、全て偽りで、自分の思い込みなのではないだろうか。
怖い。
すごく怖い。
楽……俺は、楽のことが大好きなんだ。絶対にそうなんだ。
……明日が怖いよ、楽。
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