アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
偽りの記憶Ⅵ
-
トモは困ったように笑う。
「どっちも好きだけど……。」
「……それでいいのか?」
「同時に来ちゃうんだよ。好きだって気持ち。」
「まあ、分かるよ……。」
「記憶を消された当時の想いが蘇る感じ。」
「……分かる。」
目の前のトモに夢中な筈なのに、楽のことが心配だ。
「白舞どうかな、落ち着いたと思う?」
「どうだろうな……。」
「心配なら行こう。俺もかなり心配だ。」
「お前が誘ったくせに。」
「キスしてあげようか?」
「からかうな。本当にさせるぞ。」
トモは悪戯な笑顔を浮かべて、俺の手を引っ張る。
横穴から抜け出すと、ボタボタッと背後から物の落ちる音が聞こえた。
二人して慌てて振り返ると、楽がテニスボールの籠を持って、俺達をポカンと見つめている。
「何してんの……こんなところで……。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
100 / 307