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2ー1
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何時からでしょうか。
血肉を啜り合う獣の方が可愛げがあると思い始めたのは。上層部は神王に怯え、隠し続けてきた実体を目に入れた頃から?
否、異端天使を回収し始めた話を耳にした時には既に、私自身が怯んでいた。
あの頃は、幼い子供が居ました。可愛くって、何よりの宝でした。
自分を差し出す覚悟をしたのも、神王に誰との間に出来た子供かを知られた瞬間(とき)。
ー…えぇ、私は偽善者。
苦しんでいる者を横目に自ら身体を献上すると契約した裏切り者。
七大天使の一人が聞いて呆れる。四大天使とも呼ばれている男が、周りを救うのではなく、自分の子を救う事に必死で笑える。
所詮は、魔族と交わり、生まれた異端天使ではないか。
何故、神を裏切り、エデンを裏切った。
なんて、自分を罵倒した時もあった。
意味は無かったんですがね。
あの子が、見せる表情は癒しだった。
賎しい大人だと心の何処かで思いながらも、無垢な笑みを目にすると心が洗われるんです。その分、傷みを知っていくのです…。
一つの歯車が狂い、消えていった命。
私が蒔いてしまった種…。
せめてもの償いになるのなら、偽善者だけど、命以て、摘んで行こうと胸に誓った。
開いていた日記を閉じ、私は窓から見える琥珀色に輝く満月を眺めた。
償いと一緒に摘んでいきましょう…。
ー…運命のプレリュードを。
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