アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2ー7
-
言葉を啄む唇が、美味しそうな色をしていると思う。
「的確な判断だと思う。数千という下級悪魔を死滅に追いやるという考え、他の大天使では考え切れない正確さ…」
「魔界帝国侯爵様に褒めて頂き、光栄です。それで、貴方様は如何なさいますか?兵士天使達の殆んどは能天使(パワーズ)」
戦闘方法を素直に褒めると、ウリエルは微かな笑みを浮かべ、挑発的な科白を溢す。
「ははははっ!随分と…侮られたもんだ…」
高らかな嗤いが空気中に響いていく。
ゼウダーの青金色の双眸が細められ、ウリエルを捉えた。光の反射のせいだろうか、金色にも見えなくない瞳は不思議な色合いを感じさせた。
「…っ」
「ー…気に入った」
「何を…」
「ソナタの術を封じさせてもらった」
気付いた時には既に遅かった。
体の自由が利かないウリエルは、身を捩ろうと必死。しなし、解ける気配も無く…。
「我の術を解くなどと考えるな。無駄な足掻きだ…」
ゼウダーは椅子から立ち上がり、指を鳴らしたのであった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 107