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4ー1
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あれから月日は経つというのに、雨が降れば思い出してしまう。
ゼウダーが言ったように…。
「…はぁ」
小さな溜め息をつき、ウリエルはガラスに手を添えた。
天神界では四季折々が当たり前に起き、天気も変わっていく。しかし、魔界ではどうなのだろうか。
こんな風に雨も降るのだろうか…。
「って、忘れないといけないのに…私ったら…何、彼が棲む場所の事を気にしているんでしょう…」
長い独り言を言うと、ウリエルは手にしていた本を開く。
「こう憂鬱な時は…詩を書く日ですね。ハニエル…」
軽く微笑を湛え、彼はドアの方に視線を送った。
「あら、解っていましたの?」
「大抵、この屋敷に頻繁に通うのは…ラファエル、サキエル、ハニエルだけだからね…」
穏やかで、安らいだ表情を見たハニエルもまた微笑んだ。
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