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040 誘導
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後肛を嬲る手は止まらず、塗りこまれた液体が卑猥な音を奏でている。
「ぅう……」
胸を這うハリルの舌が時折乳首を掠める。
胸なんかで気持ち良くなるわけないのに、ゾクッとした感覚が背筋を走り、思わず身を捩った。
入れられた指は、その間もゆっくりと出し入れを繰り返している。
空いている手がもう片方の乳首を強く摘まむ。
何箇所も同時に与えられる刺激で思わず腰が跳ねた。
「ぅ……ぅうっ……」
嫌だと言えば痛くすると脅されて、結局抵抗できぬまま弄ばれているのだ。
僕の胸から唇を離し、ハリルの顔が近付いてくる。
キスをされるのかと身構えるが、また顔を覗き込まれるだけだった。
「後ろは慣れてきたか?」
聞かれたのは、答えたくない内容の質問だった。
唇を噛んで回答を拒否する。
「指をもう一本増やすが、よいか?」
その質問には、首を横に振って答えた。
一本でこれだけ違和感があるのだ。
二本など到底無理だと思う。
「まだ慣れないか?」
先程と同じ質問をされる。
薬を使い解された身体は、思ったよりもすんなりとハリルの指を受け入れていた。
無理矢理されているのに……その事実が悔しくて、ハリルの言葉に無言で頷いた。
「……そうか」
そう言うとハリルは、また指の抜き差しを再開する。
「……っ!」
いつになったらやめてくれるのだろうか。
なおもしつこく身体を弄られる。
(もうやだなぁ……)
僕は小さく、溜息をついた。
後肛への指の抜き差しが止まる。
(ん……? 終わりかな?)
チラリと横目でハリルを見上げると、ハリルの眉間には深い皺ができていた。
(ぎゃ!! 怒ってる?!)
「……随分と、余裕だな」
ハリルの呟きが聞こえ、しまったと思う。
「ハリル……?」
「今日は、指二本入れるまでは止めぬ。長く楽しみたいのならそうやって引き伸ばせばいい」
告げられた言葉に、目を見開く。
「やっ…」
どうしてそう、彼は意地悪なのだろうか。
「二本目が欲しくなったら強請ってみろ。そしたら入れてやる」
そのままニヤリと笑われて、恥ずかしさと悔しさがこみ上げる。
入れてくれなんて、強請るはずなどないだろう。
そんなことには絶対にならない。
そう思ってハリルを睨みつけた。
「……生意気な……」
急に単調だった指の動きが変わる。
「ひっ!?……っあ!」
いきなり変わった動き。
中を押され、今まで異物感でしかなかった後肛からの刺激で、全身が震えるほどの快楽が起きた。
「なっ……に? やだぁっ……!!」
触られてもいない、僕自身が何故か反応し始める。
手を伸ばし、ハリルの雄々しい身体を押すが、全くビクともしない。
相変わらずハリルは、衣服一つ乱さず、涼しい顔をしている。
「……なっ……ぁあっ……!」
それなのに、僕は急に訪れた訳のわからない快楽に翻弄され、歪む顔を一方的に覗き込まれているのだ。
自分の身体なのに、自分の知らない所を強烈な快感が駆け巡る。
何故僕自身が知らなかった箇所を、彼がこんなにも正確に触れることができるのかわからなかった。
「気持ちいいかイズミ。いつでも指を増やしてやるぞ?」
言ってみろと、笑いながらハリルは言う。
「やっ、やだぁっ……!!」
こんなことなら、さっき素直に頷いておけばよかった。
あの時はこんな風にいやらしく動いてなどいなかった。
「指やぁ……止めてっ……ハリルっ」
指が動くたびに、ズンと下腹部が熱くなる。
「やだっ……もっ……やぁ!」
前を触られていないのに、僕のモノは完全に勃ち上がっていた。
「先程までの威勢はどうした?」
ハリルの指は、僕の良い所だけをグイグイと押し潰すように捏ねる。
さっきまでは、あれでもハリルは優しくしてくれていたのだ。
意地など貼らずに、素直に「慣れた」と告げ、指を増やしてもらえればこんな思いをしなくて良かったのかもしれない。
「ふぁっ……ぁ……」
もう、訳がわからなくなっていた。
「お願っ、ぁ……ハリルっ! ぁあっ……いっ、ちゃっ……」
初めての感覚だった――あまりにも強すぎる快楽に、理性が吹き飛んでいく。
「ハリッ……ルぅぁあ! やぁっ! おねがっ……おねがぃっ……ゃめっ」
「何が願いだ……?」
二度目の絶頂は、もう間近だった。
「ぃぅ……!! ゆっび……止めてっ!! もぉ……」
容赦な与えられる快楽に、上り詰める身体。
「凄いな……後ろだけでこの反応とは……」
それでも後肛にしか与えられないもどかさに、全身が震える。
「ぁっ……ィっ……ク!!」
無理やり後ろだけで出さされそうになる寸前、ハリルの指が無情にも止まる。
「……! っぇ、ぁ……」
爆発寸前の快楽が全身を走る。
「ぁ……ぁあ……っな、なんで……っ?」
ハァハァと上がる息。
絶頂の手前だった――――今までに経験したことのない、壮絶な快楽を極めるところだったのに。
(あとちょっと……あと少しでイケたのに……)
もどかしさで身体が震える。
「やだっ……ハリル……」
「イズミが、指を止めてとお願いしただろう?」
意地悪く笑うハリル。
絶対、わざとこのタイミングで止めたのだ。
「ひ……酷い……」
恥ずかしくて、切なくて、せめて脚を閉じたいと思うのに、ハリルに脚を抑えられててそれすらも叶わない。
「どうして欲しい? イズミ。指を増やして、イカせてやろうか?」
また耳元で囁かれる。
「イズミが素直にしてるなら、指を二本入れて、前も擦ってあげよう」
低音で囁かれるその言葉だけで、ゾクゾク快感が駆け巡る。
「ぁ……」
この快楽に、先ほどの手淫が加わるのだ。
目の前に、極上の甘い蜜を垂らされたようだった。
自分はおかしくなってしまったのかもしれない。
イヤなのに、その行為を想像すると目眩がする。
もどかしさと恥ずかしさで、目の前がグラグラした。
「イズミ?」
逆らえなかった。
コクリ……と頷いて続きを求めたが、それではハリルは許してくれなかった。
「どうして欲しいか、ちゃんと強請ってみろ」
また意地悪く、彼は言う。
イヤなのに、イヤなのに、言葉で嬲られるほど、どんどん身体は極みに向かっている。
それでも、このままではいつまで経ってもこの行為は終わらない。
(言わなきゃ……)
「っ……ゆ、ゆびを……に……本にして……」
背筋がゾクゾクする。
「指を二本にして、どうされたい?」
要求される言葉は増える一方。
その言葉をするのにはまだ根底に残る理性が邪魔をする。
「入れるだけでいいのか?」
「ひゃぁあ!」
またいい所を不意打ちで押され、先走りがポタポタと落ちる。
(もうだめだ……だめっ……)
「う……動かっして、指を……動かして、ほしっ……」
「それで、前はどうする?」
グルグル廻る快楽。
見られる快感と、いやらしい言葉を言わされる行為に興奮しているのだ。
「前も……触ってほしぃ……」
そして僕は与えられる目の前の快楽に負けた。
中を嬲る指がそのまま動く。
「いきっ……ぃっ……ハリル、いかせっ……!」
言い終わる前に、ハリルの空いている手が、僕の胸の突起を強く摘んだ。
「ヒィッ……ぁあ!!」
もう片方の突起にもハリルの唇が落ちる。
「やぁぁああ!!!」
――目の前が真っ白になる。
あんな恥ずかしい思いをして、恥ずかしいことを言わされたのに。
結局爆発寸前だった僕は、二度目の絶頂を胸への快楽で極めてしまったのだ。
ビクビクと身体が痙攣する。
「ひ……っ、ひどいっ! ひどいっ……」
屈辱と、恥ずかしさで僕は泣き出す。
男としてのプライドだって、そんなに高くないけどあることにはあるのだ。
まさか最後は胸でイカされるとは……思ってもいなかった。
「こ……んなっ! 酷い……っ! あんなこと言わせて……!!」
泣きながら抗議をする僕に、ハリルは優しく言う。
「大丈夫だ。ちゃんと要望には答えてやる」
何がだと、文句を言おうと思ったが、先程言わされた言葉が頭を過る。
(ま……まさか……)
「指二本で、前もだな」
至近距離で意地悪く笑うハリルを見て、僕の心臓はドクリと跳ねた。
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