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114 眼光
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押し倒され、下からハリルを見上げるのは一体何度目になるのだろうか。
自分だけ裸で組み敷かれることにはいつまで経っても慣れることはなく、壮絶な羞恥が込み上げる。
「ひぃっ……!!」
ハリルの指が僕の胸に触れる。
「ぅんっ…………!!」
それだけで全身に電流が流れるような衝撃が来る。
怯えと恐怖だけではない。明確な快楽を感じ取った身体は小刻みに震えている。
「やだっ、ぅうっ……」
たったこれだけのことなのに、僕のモノは反応を示し、まるで期待をするかのように雫を垂れる。
羞恥すらも、強烈な悦となって余計に自身を苛むのだ。
「さぁ、イズミ。どうやって逃げた?」
問われる質問に、喉が震える。
(どう、やって……?)
快楽に沈む脳であの日の記憶を辿る。
「……屋根の上に乗って、残党を征するギルトとサディを見ていたそうだな」
「ひゃぁああん! ぁあああっ!!!」
唐突に胸の突起を強く抓られる。触れられただけでも痺れるような疼きを醸し出すそこをコリコリと指先で弄ばれ、時折強く摘まれば、その痛みすらも経験したことない快楽へと変化する。
「ひぐっ……ひうっん……」
痺れるような感覚――目眩がするほどの快楽に流されて、喘ぎと共に嗚咽が漏れた。
「ふあっ……あっ……」
「喘いでないで、答えよ」
更に胸を強く摘まれ、身体が痙攣する。
「はぁぅっ! いたぁぁっ! ぁああ!!」
千切れると思うほど引っ張られ、強い痛みを感じる。それが脳が溶けるほど気持ちいい。
「ひぃぅんっ……ぁぁああ!!」
触れられてもいない自身からはなおも雫が零れ落ちる。
「快楽に弱いな……」
呆れたようなハリルの声。
「見てみろ。胸だけで達っするつもりか?」
侮蔑の言葉を浴びながらも、ようやく止まった手に、安堵の息を漏らす。
触れていると答えられないと、ハリルも気づいてくれたようだ。
「ぅ……ぅう……」
恥ずかしいのと、怖いのと、与えられる快楽が強すぎるので、涙がとめどなく溢れる。
「どうやって屋根に登った?」
――――それはシトが……。
答えられず、フルフルと首を振る。
手を離されたはずの胸の突起がジンジンと疼く。
「では、どうやってノーブルまで行った?」
「ぁ……」
――――それは、シトの背中に乗って……。
手を離されたことで、身体が再び疼く。
物足りない。触って欲しい。もどかしい?
「何故ノーブルを選んだ?」
「わ……わからな……」
――――だってシトが、その街に……。
身体が疼く。
たすけて。
もっとして欲しい。
「わからない?」
「ひぃっん!! やぁああっ! いたぁぁ!!」
答えなかったことによって再開する胸の突起への苛み。
求めていた刺激が与えられる。
でも、それによって得た快楽は痛みを伴うことになる。
「ぃだいっ!! やめっ!! ぁあああ!!」
先程よりも嗜虐的な手つきに悲鳴を上げる。
「ひぃうっん!! ぅうっ!!」
「残党の話だと、壁を壊して少女を助けたそうだな?」
ハリルの大きな手によって潰され、伸ばされた突起。
こんなに酷くされたら、千切れてしまう……。
「ぁぁあっ! 痛いっ! やめてぇえ!!」
捻りながら引っ張られ、指先で弄ばれる。
「いっだいのぉっ!! おねがっ……ひぃっ!! やぁぁあああ!!」
「こんな細い腕で、壁を?」
「ちぎれちゃっ……ぁあうっ!! おねがっいっ! ぁぁああん!!」
ハリルの手を掴んでも、僕の力ではそれを止めることはできない。
「ぅあっ……! ぅぁああああっ……!」
胸だけで訪れた、絶頂。
触れられることすらしなかった自身から液が迸る。
内太腿が痙攣し、捩る身体がシーツに擦れるのですら気持ちよかった。
泣きすぎて、しゃっくりが止まらない。
息も絶え絶えに、許しを請う。
「や……めて……も……」
――――僅かに残る意識で、逃れる方法を探す。
けれど、僕の行動には、全部シトが絡む。
シトを隠そうとすれば、ハリルの質問に答えることはできなかった。
「ハリルっ……お願い、もぉっ、つらいっ……つらいの……ぅあ……いっっ! ひぃっ……」
縋っても、ハリルの手は止まらない。
「痛いと言うわりに、しっかり反応しているじゃないか」
また強く摘まれ、嗚咽が止まらなかった。気持ちよすぎて怖い。
これはまだ終わらない。終わりが見えないのだ。
「あっくうっ……!! いだぁっ! ぁああ!!」
ハリルの言う通り、僕自身は再び勃ちあがっている。
一度達したくらいでは萎えることがない目まぐるしい快楽。
敏感になっている身体を、休みを与えられることもなく、容赦なく苛まれ続ければ、理性も何もかも吹き飛んでいく。
「妖術を使ったのか?」
「ふぅあぁあっ! ぁああっ!!!」
(気持ちいい……強く抓られるのが)
「イズミ、こちらを見ろ」
顔を、グイッと正面に向けさせられる。
目の前に、凄く近くに、ハリルの顔が――――
「私や……ヴァンを魅了したように、他の誰かも誘惑したのか?」
「ぁぁあっ!! ぁああああっ!!」
(こんな近くに、ハリルの顔が…………)
「妖術が使えてもおかしくない。使える力が、そなたにはあるのだ」
「ぁあぁんっ!! ぅあああっっ!!!」
(ハリル…………)
「ノーブルの広場でも、そうしていたのだろう?」
近くにあるハリルの顔……ハリルが話すたびに動く唇……。
「あぁあっ!! ひいぅんっ!!」
「魅了して、心を奪って、人を傷つける」
「ふぅぅんっ! ぁああっ!!」
(キス、したい……)
首をあげ顔を更に近づけ、そして目を閉じる。
(ハリルとキスしたい……)
――――快楽で意識が朦朧とする。
(ハリル……)
触れるか触れないかの距離、ハリルの息が顔にかかる。
(キスをしたら、キスしてくれれば…………)
――――そしたら全て話せるような……そんな気がしたのに……。
結局それは叶わないことなのだ。
「いい加減にしろ、イズミ」
ハリルの声。それは静かで、いつもより低い。
閉じた目を再び開ける。
涙のせいでハリルの姿は歪む彼の、鋭い眼光。
僕を刺すような……責めるような目。
ハリルの唇は直ぐそこに、こんなにも近くにあるのに、僕には届かない。
涙が、溢れてきた。
快楽で正常な判断が出来ない。
(どうして、キスしてくれないの……?)
鋭い視線は、頑なにそれを拒否しているような気がして、快楽に魘されていてもそれが苦しいほど、狂おしいほど切なかった。
(いっそこのまま……)
何もわからないように、何も考えられないように、快楽に身を任せてしまおうか。
そう思った時、ハリルの手が僕の下肢に伸びてきていた――――
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