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変わらぬ思い
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夜、21時過ぎた頃に、電話が鳴った。
画面を見ると透君からのものだと分かったので直ぐに電話に出た。
「もしもし、どうしたの透君。」
「こんばんは、若葉さん。折入って話があるのですが、近々俺の家でお会いできませんか?」
話? なんだろうか。
「うん、大丈夫だよ。今週の日曜日13時に透君の家に来てもいいかな?」
「はい。お願いします。」
何故だろうか。透君の声が掠れている。まるで、緊張している時みたいに。
「あのさ、透君。」
俺は気になって、切られそうになっていた電話に透君の名前を呼んだ。
「……はい。」
少しの間のあと、透君がそう答えた。
「どんな話なの? それって。」
「……今は言えません。」
今は言えませんって……どういうことだ?
ますます訳がわからなくなるだけだった。
「そうか、じゃ、日曜日に。またね。」
「はい。それでは、失礼します。」
プープープー
もともと、礼儀正しい子だった。
礼儀正しいというよりかは、どこかよそよそしい感じだったな。
たった今電話で君の声を聞いて、再度それを感じた。
君は周りを考えすぎる。
「透君……」
彼が周りを考えすぎるのは、彼の周りの人間たちがそうさせたのだ。そして、それは俺とも似ている。だから、こんなことでも繋がっている気がして嬉しくなる。
「透君、君が好きだ。もっと、儚い君を見ていたい。」
俺はベッドに寝そべって、透君の体を思い出しながら自慰した。
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