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総大将、軍師ごときの後始末をするの図~腐二次創作戦国BASARA秀半
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半兵衛が愛刀の手入れをしている。
あのしなる剣。
毛利元就の輪刀も凄いが、我が愛人のそれはぞくりとするものがある。
剣と恋人をどちらもうっとりと眺めていたら半兵衛が気づいた。
「どうした秀吉。まだ未明だぞ」
「貴様こそ褥(しとね)を抜け出してまでお手入れとは、少し妬けるぞ」
ヒュウと半兵衛かすれた口笛を吹いた。
「このこも悋気でね。万全に扱ってやらんといくさ場で拗ねるのだ」
なるほど。
拗ねられてはことだ。
「それでも程々にな。身をいとわぬお主は好かぬ」
言いおいて場を離れようとすると、身が進まぬ。
? と見やると、着流しの裾を半兵衛が引いていた。
「帰るなと?」
「いま少し」
愛(う)い奴め。
その場に転がし、白い肌を愛でる。
一段と痩せた。
一段と。
猛り立つ気持ちより、いたわる気持ちが勝り、俺は彼奴(きゃつ)の全身を包み込むように掻き抱いた。
半兵衛はしばらくそのままになっていたが、ぼそっと呟いた。
「日輪が欲しい」
「毛利が長會我部から奪ったあれか」
「あれだ。あれがほしい。あれがあれば豊臣は…」
なにやら独りでつぶやきながら、文机の方へ行ってしまう。
なるほど。
天才軍師を恋人に持つとはこのような仕儀になるのだな。
手入れ半ばの刃も放置されたままだ。
詮無い奴。
俺が続きを始めると、彼奴の愛刀はきらり光を放った。
嬉しげに。
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