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《緩やかな決着》10
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アキラは電話を終えて、ひとつため息をつく…
「アキラ…」
電話の内容が気になって仕方ないみずき。
「……」
どうしよう…みずきに言ってみる?
フミヒコの言ったことは聞こえてないにしろ、オレが喋ったことは聞こえているから今更上手い嘘つけないし…
でも、反応は手に取るように分かる。
「…とりあえず、今度フミヒコさんに会いに行くから、その時にお金を帳消しにしてくれるって書いたものを渡してくれるらしい…」
少し迷ったが、差しさわりないことだけ伝えることにするアキラ。
「なら、俺もついていくよ、一人じゃ心配だから…」
やはり、みずきは心配して…アキラが思ったとおりの反応を返してくる。
「前も言ったけど、これはオレの問題だから、みずきには頼らない」
ひとつ息をついて、はっきり断るアキラ…
「アキラ…」
みずきはすぐに続ける言葉が出ず、困ったように名前を呼ぶ…
そんなみずきを見て、少し優しく雰囲気を変えて話す。
「これで決着がつくはずだから‥もう少し我慢して、みずき…」
「いや、俺はアキラが心配だから…」
「大丈夫、出来るだけ上手くやるし、指輪、つけていくから…」
ちゃんとシルシをつけていく…
「え、アキラ…」
驚いて顔を見つめてしまうみずき…
「まだ、オレはお前の恋人でいいんだろ?」
瞳を合わせ確認するように柔らかく言うアキラ。
「あ、あぁ、もちろん、アキラは俺の恋人…」
二回ほど頷いて、嬉しさのあまり焦って言い詰まってしまうみずき。
「ちゃんと、話し合ってケリつけてくるから、待っててくれる?」
そんなみずきを見て柔らかく微笑んで伝える。
「あぁ、わかった、信じているから…」
アキラと瞳を真っ直ぐ重ね、そう頷くみずき。
アキラも第一段階を説得できてひとまずほっとする。
フミヒコが出している条件のことは、また後日話してみるつもりで…
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