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《遠退く想い》24
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祈るようにゆっくりと右足に重心を乗せていくが…
やはり片足で全体重は支えきれなくて…
以前転倒した時と同様に、ガクッと膝が折れてしまい…
支えを失ってフラッと右斜め前方へ倒れようとする身体。
やっぱ…ダメ…だよな…
そう思うと同時にアキラは…
すっと手摺りを握る右手の力を緩める。
自分は腕一本で落ちようとする身体を支えられる筈がないから……。
階段の1番上から転落したら…どうなるか…
暗い階段の上で…
でも、不思議と恐怖心は湧かなかった。
落ちて怪我をすればすべてを先延ばしにできる…
運がよければ…そのまま…
そんな考えが過ぎった時…
「ッ!危ないッ!!」
声と同時に、倒れようとする身体を後ろからぎゅっと捕まえる腕…
「ッ…!」
みずきがとっさにアキラを助けたのだ…
しかしアキラは両足に力が入らない為、勢いのまま身体は、階段を2、3段ずり落ちてしまうが…
みずきがしっかり脇を抱えてくれているので…なんとかそれ以上の転落は免れたアキラ。
「っ、だ、大丈夫か?」
手摺りをしっかり掴んで、片腕で二人分の体重を支えているみずき…
すぐアキラを心配する。
「みずき…」
「ゆっくり座って、大丈夫か?怪我は!?」
みずきは取り敢えず、腕を突っ張った無理な体勢でアキラを支えていた為、アキラを安全に座り直させ…階段を降りてもう一度、アキラの正面に行き聞く…
「……」
「はぁ、驚いたな…足大丈夫か?」
息をついて、足をみようとするみずき。
「……なんで、」
俯いて言葉にするアキラ。
「え…?」
「なんで助けたりするんだよ!」
アキラはみずきに向かい声をあげる。
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