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《遠退く想い》32
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フミヒコの提案や催眠術のこと…
喉の奥まで出かかった言葉を飲み込み…
代わりに感謝のキモチを言葉にする…
もう、迷いを見せたりしない…
別れは…
みずきへの裏切りじゃなくて…
みずきの将来の為に…オレが出来る唯一のことだから…
みずきの長い人生の中で、オレを好きでいる時は…ほんのわずか…
みずきにとって運命の相手はオレじゃないから…
本当に大切な人と出逢う為に…
オレの存在は邪魔なだけ…
だから…オレは、みずきが本当に幸せになる為の手助けをするだけなんだ…
そう思えば…ツラくない…
すっと立ち上がるアキラ…
「アキラ!?」
「風呂、沸かしてくる」
「あ、それなら俺が…」
慌てて追いながら言うが…
「……」
アキラは微笑んで風呂場へ歩き出す。
「アキラ…俺はまだ、アキラに話したいことが…」
覚悟した想い、すべてを伝え切っていない…話さなくては…
そう思ってアキラを引き止める。
「ん?」
「あ、いや…俺は色々考えたんだ、どうすればアキラが1番つらく思わない方法でこの先も一緒にいられるか…」
振り向いて首を傾げるアキラのかわいい仕種にドキッとするみずき…
吃りながらも伝える。
「わかった、よく解ったから…みずきの気持ち…だからもういいよ」
すっとみずきの唇を人差し指で抑えながら、優しく微笑む…
「アキラ…?」
「…そこまでオレのコト考えてくれて…嬉しい」
みずきに触れたまま…そっと囁く…
「…アキラ」
アキラに触れられて、心拍数をやや上昇させながら…その形の良い唇から零れる柔らかい言葉を聞く…
「こんなオレ…好きになってくれてありがとな…」
そうアキラは続けて…微笑む。
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