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《別れの階段》4
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「あの…一体何を?」
みずきはアキラのいうがままついてきたので、何をするのかさっぱり分かっていない。
「心の汚れや疲れをとる作業…とでもいうのかな…ただ私と鈴鹿さん、そしてあの子と話しをしているだけでいいんだよ、わかったかな?」
「はぁ…」
本質がいまいちよく解らないが、頷いてみるみずき。
「まずリラックスした気分にならないとダメだからね…会話をしながら鈴鹿さんのことを知っていこうと思うから…まずは、そうだね、鈴鹿さんの家族は?」
首を傾げ何気なく聞く先生。
「えっ、家族?」
なんの前触れもなく聞かれたので答えに詰まるみずき。
「お一人暮しですか?」
さらに穏やかに聞く。
「はい、あ、いや今はアキラと住んでて…」
反射的に頷いてしまうが…慌てて訂正する。
「家族の方はご健在ですか?」
「はい、父と母と姉と、今は別々に暮らしていますが…」
訳も分からず答えるみずき。
「ペットは飼っていますか?」
「えっと、今はアキラの犬を二匹家で…」
メアリーとリッツのことを伝えるみずき。
「ご自分では?」
「いえ…あ、昔、小学生の頃に家で犬を一匹飼っていました」
子どもの頃を思い出して答える。
「へー、なんの犬種?」
不意にアキラが会話に加わる。
「柴犬だったと思う」
少し緊張しながら答えていたみずきも、アキラが関わってくれていくらか和む。
「そうですか、キミも犬がお好きなんですね」
今度は先生がアキラへ聞いている。
「オレ?犬も好きだし、動物はみんな好きだけど」
首を傾げながら答えるアキラ。
「鈴鹿さんも動物は好きなんですか?」
「俺は…そうですね、嫌いではないと思います」
みずきは頷いて自然に答える。
「お二人は好きなものも同じなんですね」
アキラとの繋がりある、その言葉が嬉しくて微笑むみずき。
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