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《別れの階段》12
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「っ、何度…彼を裏切ってきた?」
少し動きを緩め、じわじわとアキラの身体を味わいながら…
フミヒコは低く囁く。
「一緒にいれば、また裏切り続けることになる」
裏切る…
モニターから聞こえてくる、みずきの優しい声…
みずきの想いを知っていながら…
他人と寝ている自分…
みずきの将来の為…
そう思いたくても、やはりその一途な気持ちを裏切っているのは確かだから…
みずきの本当の願いを叶えることが出来なくて…
…苦しい。
フミヒコを簡単に受け入れてしまう自分には、こんなことを想う権利なんかないけれど…
『1番大切な存在…』
『…くすのきあきら』
聞こえてくる…
みずきの重い言葉に涙が、深緑の瞳に溜まる…
それでも…こんな自分を選んでくれてたみずき。
「っごめ…、ふっ、ぅッ」
(ごめん…みずき)
堪えきれず…ぽろぽろと零れ落ちる涙。
拘束されているため、それを自分で拭うことすら出来ない。
そんなアキラの様子を愛おしく見つめ…
「綺麗だ…謝ることはないんだよ、君は正しい選択をしたのだから」
熱い塊をナカに留めたまま…
すっと零れる涙を拭いながら…優しく囁くフミヒコ。
「よく解っている筈だ、自分では彼を幸せにすることが出来ないと…」
「んっ…ハァ、ッ」
ナカからの圧迫感も…言葉とともにアキラを縛り付ける。
「君が身を引くことで、彼には新しい未来が開けているのだから」
アキラの心を見透かして、理屈言葉を並べていくフミヒコ。
「そうだろう?」
優しく問う。
「……っ」
何も応えられないアキラ。
その為に、みずきに嘘をついて、選んだこと…
「君は間違ってはいない…」
間違ってはいない筈。
「君が悲しむことは何もないんだ…私の元で不自由なく暮らすといい」
諭すように囁くフミヒコ。
それでも辛くて…どうしようもなく胸が痛い…
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