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《廻らぬ歯車》2
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だが何故俺は裸で此処にいる!?
なぜ…!?
また、押さえ付けられ苦しそうなアキラの顔が至近距離で見える。
自分の目線で…
嘘だろ、まさか…本当に…
バッと起き上がるみずき。
「ッ…!?」
激しく痛む頭で見たものは…
「……血、」
シーツにかなりの量、擦ったような赤黒く固まった血痕が残っている。
そして何より自分の手指とソレには生々しく血液が付着している。
嘘だ…俺がアキラを……?
もはや自分が手を下したことは疑う余地もないのだが…
それでも信じられない思いのみずき。
撮影の夢をみたと思い込みたい…
この血は自分が気付かないうちに手を怪我していて血が出たのだと思いたい…
アキラは…?
アキラ……
愕然となりながらも脱ぎ散らかしてある自分の服を軽く纏い、アキラを探すみずき。
二部屋しかない狭いアパート…人の気配はない。
アキラが既に居ない事は明らかで…
しかし…
上手く思い出せない記憶が、みずきを焦らせ冷静さを失わさせる。
部屋の隅々まで探し…
浴室を開けて入ってみるが、しばらく使われた形跡のない風呂場。
静寂だけがみずきを包み込む…
「……」
ガッと浴室内の壁を叩くみずき。
「っなぜッ!思い出せない!!」
昨日のことなのに!!
アキラの…ことなのにっ…!!
焦燥感に混乱し、かっとなる頭を冷やすためにみずきは冷たいシャワーを全身に浴びる。
水を浴びると、頭痛が少し紛らわされる。
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