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《廻らぬ歯車》6
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「……みずき?」
「傷つけて…酷いことをした、と思う…」
曖昧な記憶…
「思う?」
首を傾げるヨシ。
「分からない、はっきりと思い出せない…けれど、俺が手をあげたんだ」
じゃなければあんな苦しそうなアキラの顔がちらつく筈がない。
いつだって、笑っていて欲しいと願う存在…
それなのに…
「どういうことだよ」
「……昨日、2人で買い物に出かけて、帰りにア…、アイツが倒れて、俺は自分のアパートに連れて帰った…休ませようとして、そのあとの記憶が…」
思いだそうとすれば刺すような頭痛が邪魔をする。
「記憶喪失?何も覚えてないのか?」
「……布団に抑えつけられて苦しそうなアイツの姿だけ、気がついたら俺だけ布団に寝ていて、手やシーツには…血がこびりついていた」
みずきは覚えていることを話していく。
「……、でもお前がやったって確証はねぇんだろ?もしかしたらアキラがわざとお前混乱させるために仕掛けたかもしれねぇだろ?」
みずきが理由もなくそんなことをする訳がない、と信じられず言い返すヨシ。
「そんなこと…!アイツはしない、するはずない、そんなことをする理由もない」
反射的に言い返すみずきだが…心で思い返す。
昨日の様子…
アキラとの仲は平穏で、指輪もつけてくれていて…
そういえば、倒れたことに焦っていて見逃していたが…ヒーリングの先生から帰り、アキラは指輪をつけていなかった…?
でも、今はそれは関係ない。
少し前まではアキラの様子がおかしく感じたことはあったが…伝えたい気持ちをちゃんとアキラに告げた日からいつも通りのアキラに戻って安心していた。
これからもこの平穏が続くのだと信じて疑わなかったけれど…
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