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《廻らぬ歯車》10
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「……なかなか難しいけど…ふぅ、シャワー浴びたいな」
もう一度時計を見直して…
「あ、そう言えばお前ら昨日晩も何も食べてないよな、散歩も行けてないし…待ってろご飯用意するよ」
そう思って立ち上がろうとするアキラだが…
「っ!」
軸足にした右足がジンと痺れ上手く立ち上がれず、ドサッと右側の床へ崩れ落ちる。
「ッ痛てて…」
とっさに受け身はとったけれど…
半身を床で打って痛みが走る。
「ワンワン!」
犬たちが驚いて駆け寄る。
「しーっ、大丈夫」
鳴いた犬をなだめながらそう言うが、足全体が痺れすぐ動けそうにない。
「はぁ、オレも薬切れだな」
寝転んだまま息をつくアキラ。
犬たち同様、昨日から眠りっぱなしで食事が出来ていないイコール、定期の内服薬を摂取できていない。
麻痺を抑える頓服しか飲めていないから、身体の感覚がおかしくなっているのだ。
「……薬、止めたら、オレ…歩けないのかな」
歩けるはず、まだ大丈夫なはず。
心ではそう強がってみるが…
本当に歩けるか、試すのも怖い。
現に立ち上がれなくなっているから…
「ごめんなー、メアリー、リッツ。餌も与えない、散歩も行かない…長時間放置、立派な動物虐待だよ」
こうなるから一度は離れた。
自分のこともろくに出来ないヤツが動物なんて飼えるわけない。
「……お前らだって、ちゃんとご飯食べられて、遠くまで散歩に行けて、いっぱい遊んでくれる飼い主の方がいいだろ?」
言っていてだんだん悲しくなってくる。
したくても出来ないもどかしさ…
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