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《廻らぬ歯車》52
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アキラは独りソファに座っていた。
「アキラ?大丈夫だった?」
そっとアキラの様子を伺うルード。
「ん、変わりないよ」
振り向いて笑顔を向ける。
「みずき帰ったけど」
ポツリと伝える、アキラに近づいていく。
「仕事があるらしいからな…」
頷いて答える。
「何話してたの?」
「昨日のこととか、納得してもらった」
それなりの答えを伝える。
「みずき…やっぱりおかしいよ、あんなにアキラのこと必死だったのに…」
なんだかすっきりしなくて言ってしまう。
「ルード…人の気持ちは変わっていくんだ、みずきもそうなんだろ」
好きだった気持ちも…時間が過ぎれば冷めてしまうこともある。
そう言外に含んで…
「……」
ルードは納得しきれない気持ちだったが、言葉は出ない。
「オレは勝手だから…」
寂しげに諦めたように呟くアキラを見て…
ルードは堪まらず…
「アキラ、独りじゃ可哀想だ」
ぎゅっと抱きしめる。
頼りなく希薄に見えるアキラ…
独りにはさせたくない。
そんな思いでいっぱいになる。
「ルード…オレは元々独りだっだんだ、だから今までが特別過ぎた。そろそろ元に戻ろうと思って…」
ずっと独りだった…
ルードと出逢うまで、特定の誰かと付き合うとか、考えもしなかった。
抱きしめてくれるその腕に優しく触れながら…そう言葉を返す。
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