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いざ、戦場へ
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ファミレスの前に着いたけど…
鈴井君が動かない
緊張してるのか、手が震えている
「どうしたの?」
「田上君…」
「そうだ、名前苗字じゃなくて、下の名前で呼び合おうよ。ね?岬」
「え?う、うん…高志君」
「堅苦しいよ。高志でいいから」
「分かった」
「それより、早く行こう…きっと待ってるよ」
岬の肩に手を乗せて顔を覗いてみた
目線が定まらずに、あわあわしてる感じがした
もしかしたら、今日呼び出されたのって中学時代に何かあった相手なんじゃないだろうか…それなら、わざわざ行く必要はないと思う
「どうする?俺は、どっちでもいいよ。行くなら、バッチリサポートするから」
「側に居てくれる?」
「もちろん!!片時も離れないから」
「わ、分かった…行く」
子鹿のようにプルプルしてる
可愛いぞ
意を決して、ファミレス内に足を踏み入れると、奥の方から岬を呼ぶ声がした
一瞬戸惑った足取りも、その方向へと進む
「お、お待たせ…」
「おせーよ。デブが一番おせーとか、ありえないっしょ」
「ごめん、色々あって…」
ムカつくムカつくムカつく
デブ呼ばわり?
じゃあ、お前らはブサイクって呼ばせてもらおうか?
と心の中で思ったが口には出さなかった
「誰?このイケメン。もろタイプなんだけどー」
そうですか…だから?
こっちからすれば、お前みたいな化粧お化け許容範囲外なんだけどぉ
香水臭いし、化粧も濃すぎて素がわかんねーよ
「俺の…友達…」
「どーも」
「ここ座って、ここ!!」
キーキーうるせーよっ
誰がそんなとこに座るかよ
「俺岬の隣に座るから」
「デブはほっといて、これからうちらと遊びに行かない?」
性格ブスがウゼーんだよ
第一、岬はデブじゃない
ぽっちゃりなんだ!!
横を見ると、岬は項垂れていた
「ほら、デブ。座れよ」
そう言って、足で蹴ったのを見て堪忍袋の尾が切れた
「テメェら、いい加減にしろよ。呼び出したのはそっちだろうが!そこのお前、蹴ったよな?そんな事する必要何処にあるんだよ。てか、お前らは本当に岬の同級生なの?扱い酷くない?」
「こ、高志…」
「ごめん、耐えられないわ。後でいくらでも謝るから、言わせて。そこの性格ブス!お前だよ。呼び出した奴置いて遊びに行くって?一人で行けよ。そして、そこの臭い奴。お前、化粧濃過ぎない?ハッキリ言ってキモいよ。あんたなんかと遊びたくないね。隣にも並びたくない。そして、蹴ったお前。ゼッテー許さねーからな。人の事馬鹿にして楽しいのか?それによって、傷付いてる奴が居るって思わねーのか?そして、そこで一人傍観してるお前。こんな奴らとつるんでたら、同じだと思われるから悪い事は言わないから友達変えろ」
「何こいつ。おい、デブ。お前の友達って最低の奴だな」
「デブじゃねーよ。鈴井 岬って名前があるんだよ!」
「うるせーよ。少しくらい顔が良いからって、偉そうに」
「自他共に認めるイケメンですよ?羨ましいなら、整形でもすれば?まぁ、しても素が悪いから無理だろうけどねっ!」
「おい、デブ。こいつ置いて行くぞ」
「そんな…」
「うるさい。お前は俺らの財布代わりなんだから、ごちゃごちゃ言わずについてこい」
「岬、行く事ないよ」
「あはは、財布は喋らない」
ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく
「俺、高志と遊ぶから…みんなとは行けない」
「はぁ?ふざけんなよ。じゃあ、金よこせよ」
「恐喝に暴行、警察呼ぼうか?てか、もう呼んじゃった。会話の内容もバッチリ録音済みだし。君たちどーなるかな?頭悪くても分かるよね?」
「はぁ?ふざけんなよ」
「君、それしか言えないの?ほら、表にお待ちですよ?」
窓の外を指差す
表にはパトカーが2台鎮座するように停車していて、まさに車から降りてくる所だった
「ご愁傷様。ちゃーんと、警察に事情話すんだよ。まぁ、全部録音済みだから、何言っても後の祭りだけどね」
「おい…なぁ鈴井、冗談だからな?な?」
「そ、そうだよ…うちら友達だし」
「そうそう、それに未成年だし」
「たぶん、学校に知られたら停学か…あるいは退学かな。それに、今までも岬から幾らか引き出してるみたいだし、余罪はありそうだよね?可哀想に…未成年でも裁かれるんだよ。ちゃんと、反省してね」
「マジかよ…なぁ、止めてくれよ…鈴井」
「…無理、俺の友達を悪く言う人には、天罰が下ればいいんだっ」
「調子こいてんじゃねーぞ。こらぁ」
岬の胸倉を掴んだと同時に、警察官に手を掴まれて離された
馬鹿だよね…やった分だけ自分に返ってくるのに…
俺は、岬の手を取り握りしめた
「よく言えたね。もう大丈夫だよ」
泣きそうな岬を落ち着かせる為に全力を注ぐ
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