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インタビュー本番
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髪も整えてもらい、指定の服に着替えカフェテラスへと向かった
待っていたのは、雑誌の編集者とカメラマン
「お待たせしてすみません」
「いいえ、まだ時間じゃないですから」
「初めまして、ko_siです。今日は、お手柔らかにお願いしますね?」
「はい、よろしくお願いします」
席へ着くと、写真撮影が始まった
ポーズは決められる事はなく、自然な形で自由にと言われた
俺は普通に出されたコーヒーに口を付けた
いつか、岬と一緒に朝のコーヒーを飲みたいな
岬が作ってくれる朝食を食べながら
きっと、照れながらも笑いながら俺の目の前に座り話すんだろうな
今日は何しようかとか
愛を囁いたりしながら
指を絡ませ、互いの目を見つめ
言葉にしなくても、互いの思いが伝わる
「…さん、ko_siさん」
「え?あっ、すみません…ぼんやりしてて」
「いい絵撮らせてもらいましたよ」
あれ、俺どんな表情してた?
兄貴の方を見ると、何故か眉間に皺を寄せていた
「ちょっとすみません…席外しますね」
「はい、5分後にインタビュー開始しますね」
兄貴に近付くと、壁に向かうようにして肩を組まれた
「俺、変な顔してた?」
「してたしてた。岬君の事考えてだろ」
「そんなにバレバレ?」
「好き好きオーラ全開でしたよ!インタビュー覚悟しとけよ…たぶんそこ突っ込まれるぞ」
「うわーやっちゃった…どうしよう」
「過ぎたことは仕方ない。ただ、個人を特定するような発言は控えろ…カミングアウトするにも、まだ早い」
「わ、分かった…」
「ほら、戻れ」
背中を押され、席へと戻った
「では、録音させてもらいますね」
「はい、どうぞ」
「では、知らない方は居ないと思いますが、自己紹介していただけますか?」
「ko_si、23歳です。高校を卒業して、この世界に入りました。まだまだ下っ端なので、お手柔らかに」
「確か、ハーフでしたよね?」
「ええ、父がアメリカ人です。母は生粋の京都人ですよ」
「ちょっと調べたんですけど、ご家族ともに美男美女でいらっしゃるんですね。羨ましいです」
「いや、そんな事無いです。てか、何処で調べたんですか?家族の事は内緒なのにぃ」
「ちょっとした伝ですよ」
俺は兄貴に目配せした
すると、首を横に振った
伝じゃないって事か…
何処まで調べ上げてる…
「いや、やっぱり有名な編集さんだと、そう言うのあるんですね。そう言うの知れて嬉しいですよ」
「いやいや、私なんてまだ駆け出しですから」
「そんなにご謙遜を」
「ふふふ。では、次にko_siさんの好きなタイプは、どんな方なんですか?」
「好きなタイプですか?うーん…難しいですね。そうだなぁ…一途に想ってくれる人かな」
「今までに、そんな方いらしたんですか?」
あぁ、俺の恋愛話からのスキャンダル狙いか…
目的が見えた
「どうだと思います?」
「学生時代は、結構遊び人だったと伺いましたが?」
「何処情報?遊び人かぁ…そう思われてるんだ…俺」
「あっ、いや…あくまでも噂ですよ」
「なんか、悲しいなぁ…ほら、結構こうやって雑誌とか載るじゃないですか、遊んでるんですよね?とか通りすがりの人に言われるんですよ。あれ、結構凹みますね…俺そんな風に見えてるんだって…実際はこの人って決めたら、その人しか見ないと思うな」
「そういう方いらっしゃるんですか?」
「うーん、会えてないかな…会いたいな。俺の運命の人…」
「もてそうですけどねー」
「よく言われます。でも、なんか声掛けられるとか無いですよ?たまにサイン下さいって女子高生が来るくらい」
「仕事場とかで、出会いは無いんですか?」
「仕事場で?うーん…無いなぁ。ほら、みんな自分の仕事に一生懸命で。そういう姿見てると、俺と負けられないってがんばれます」
「そうですか…例えば、共演者とか…」
「あー、それ関係の話続くの?それなら俺帰るから…」
席を立ち上がり、スタッフの間を縫うようにして店先へと出た
「あのっ、すみません…もう一度インタビューさせてください」
「俺も仕事で来てるんです。俺の恋愛とか関係無いじゃないですか。仕事の話しましょうよ。根掘り葉掘り、家族の事まで…流石に無理ですよ?家族に迷惑かけるためにこの仕事してる訳じゃ無いんで…」
「読者から、やっぱり恋愛関係の質問が殺到してまして…やっぱり外せ無いんですよね…それで、その…」
「ひとつ聞きますけど、家族の情報って何処から?」
「え?あの、それは…その…」
「言えないような所から集めた情報なんて、雑誌に載せるの?間違ってたら?責任取れるの?俺をどうしても遊び人にしたいみたいだけど…その意図は?学生時代の噂って?誰からの情報?」
「いや、それは明かせないというか…」
「すみませんが、文章で質問貰えますか?インタビューはお断りさせて頂きます。仕事とは分かっていますが、貴方達からは誠意の欠片も見られないので。それに、事務所からも質問内容は、事前に聞いてますよね?俺、ルールとか守れない人と仕事出来ません」
「困りますっ。締め切り明日なんです」
「俺には関係ないですね。失礼します」
その場を立ち去り、迎えの車に乗った
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