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暴露される過去
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チャイムが鳴り、職員室へ行くと先生が待ち構えていた
昔を思い出す
嫌な意味で…
「じゃあ、会議室でも行くか…」
俺たちは、先生の後を大人しくついて行く
会議室は、カーテンを閉め切っているためか薄暗く少し匂いがこもっていて、あまり好きな匂いじゃなかった
カーテンと窓を開けると、柔らかい日差しと風が入り込んできて気持ちがいい
「コーヒーでいいよな?」
インスタントのコーヒーを出してくれ、先生が向き合うように俺たちの前に座り、学生時代を思い出す
「で、お前達は苦労はしてないか?」
「へ?」
「ん?」
「いや、男同士なんて苦労するだろ?なんか困ってる事とかないか?」
「今は、離れて暮らしてるから、それ位かな?苦労って」
「そうだね…」
「そうなのか?昔に比べたら、田上も落ち着いてるようだしな…」
「高志が?」
「鈴井が転校した後だな。酷かったんだぞ。一日中、岬が居ないって呟いて、突然泣き出すわ」
「ちょちょちゃ、先生何言い出すの!」
「俺学校辞めるとかほざくし…どうにか思い留めようと、学校総出で止めたんだからな?それからも、事あるごとに岬、岬ってな…もうどっかおかしくなったんだと一時期言われてて、もう少しで病院に連れて行くって話まで出てたんだ。いや、そうかーお前らがな…先生は嬉しいぞ」
いや、俺は全くもって嬉しくない
あぁ、穴があったら入りたい…
昔の俺、どっかに消えてくれ…
「それから、少ししてかな…突然勉強しだして、俺は有名になるんだと言い出してな(笑)意味分かんないし、突然変わったから、それはそれでまた学校中大騒ぎだよ。しまいには、モデルになるって進路出しやがって…しかも、本当にモデルやってるしな(笑)こいつには、本当に手を焼かされたよ」
こいつ、いつかしめる
岬の方を向けなくて、全然関係ない扉を見つめていた
「へー高志が(笑)」
「………チッ」
「こう見えても、お前に一途だからな。先生ちょっと心配してたんだぞ!いや、良かった良かった(笑)男同士でも、先生は応援するからな。困った事があったら、いつでも相談に来いよ」
「はい」
会議室を出て校舎を出ても、俺たちは無言で車に戻った
ハンドルに頭をもたげ、溜息を吐いた
「あいつ、本当ムカつく…」
「高志(笑)」
「笑うなーめっちゃ恥ずかしい…何なんだよー」
「でも、ちょっと嬉しい。俺の知らない高志を知れて」
「黒歴史だ…もう、2度と来ない!」
「そんな事言わないで?」
「みーさーきー。慰めて?」
岬の肩に擦り寄り、抱きついた
頭を撫でられ肩に顔を埋めた
「どんな高志でも、俺は好きだよ。黒歴史でもいいじゃん。ちゃんと俺の事思っててくれたんだって分かって嬉しかったよ…高志で良かったって思った」
「ホント?」
「うん!恥ずかしい事なんて無いよ」
「少し元気出た」
ふと、ポケットに入れていた携帯が鳴った
しかも、2人同時に
「なんだ?」
岬から離れ、画面を見つめた
《そこでイチャつくな!未成年には目の毒だ!》
2人の画面が同じ文字を綴っている
はっと気付き、目の前を見ると窓には先生が見えた
しかも、玄関からは生徒が覗いている
「で、出るぞ!シートベルトしろっ」
「お、おぅ」
慌ててそこを立ち去ったのは言うまでもない…
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