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母さんと岬
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「お母さん、そうじゃないですよ」
「いいえ、これが正解よ」
「違いますって」
キッチンへと駆け込んだ俺たちを、2人が同じタイミングで振り返って見た
「どうしたの?」
「何かあった?変な顔して、2人とも」
2人の雰囲気に首を傾げる
今言い合いしてたよな?
「今、口論する声聞こえたけど?」
恐る恐る聞いてみた
親父は何故か俺の袖を握っている
「あぁ、いや煮物に使う人参の型がね、こっちとこっち、どっちが正しいのかって話ししてて」
両手に掲げられたのは、花びらの様な先がギザギザしたやつと、花丸の様な丸い形をしたやつ
紛らわしい
「岬が正しいと思うよ?岬は料理教室の先生だからね」
「あら、そうなの?じゃあ、私ずっと間違って使ってたのかしら…やだ恥ずかしいわ」
「お母さん、皆よく間違うから、恥ずかしい事はないですよ。それに、愛情込めて作れば!形は関係ないですから」
「そうよね?そうなのよ!高志、いいお嫁さんもらったわね。お母さん嬉しいわ」
いや、まだもらってないし…
ここで否定したら、雷落ちそうだしな
「そんな、お母さん…大袈裟ですよ」
「実はね、一人暮らししてるでしょ?食べる物とか心配してたのよ。家には寄り付かないし…岬君が居るなら安心できるわ」
いや、まだ一緒には暮らせてないので、安心されても…
「あっ、でも…まだ一緒に暮らしてる訳じゃ」
「そうよね…嫌だわー私ったら(笑)」
「でも、一緒に暮らしたら、キチンと俺が料理とかしますね」
「お願いするわね。この子、自分の事となると、無頓着なんだから…その割、自分の部屋の寝室だけは綺麗に掃除してるのよね。俺の岬に埃がついたら可哀想だって…バカよねー」
もう、これで何度目だよ…
穴があったら入りたい
しかも、バラすなよ!息子の秘密を
「俺に埃?なんの事ですか?」
「あら、昨日は高志の家に泊まったんでしょ?だったら寝室の壁見てないの?」
「壁…部屋暗かったから、気付かなかったんだすかね…ははは」
ジトッとした目で、岬が俺を見る
あぁ
今日は厄日か?
もうここを離れよう…
そーっと音を立てない様にキッチンを出ようとして母さんに止められた
「何逃げてんの?」
おぅ…
ブラック母さん登場
ヤベェ
「いや、トイレに…」
「ふーん…」
「いや、急に行きたくなくなった…ははは…なんでだろー」
正直、チビリそう…
「高志?大丈夫?」
「あぁ、うん…大丈夫」
「さて、高志君…ちょっとお話ししましょうね?」
「は、はい…」
「来い!」
首根っこ掴まれて、キッチン強制退場
俺、終わったかも…
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